祝!『生物×宝石』カプセルトイ化 色鉛筆だけで光り輝く宝石を描く 色鉛筆画家 安部祐一朗

柔らかく動きのある生き物と硬い宝石を融合させ、色鉛筆のみで巧みに表現する色鉛筆画家の安部祐一朗さん。現実には存在しない組み合わせなのにまるで撮影された写真のような作品に魅了される人が続出!そんな安部さんの『生物×宝石』がカプセルトイになり2023年1月に登場します!『生物×宝石』について安部さん、原型担当・ムートン・牛山さん(松田モデル)、企画担当・佐藤涼子さん(スタンド・ストーンズ)にお話を伺いました。

INTERVIEW 安部祐一朗

――色鉛筆画をはじめたきっかけを教えてください。

もともと、中学生の頃に行ったUSJのハロウィンメイク(ゾンビメイク)に感銘を受け、メイクアップアーティストを夢見るようになり、色の濃淡などの練習の一環として色鉛筆で絵を描くようになりました。


はじめて描いた色鉛筆画

――なぜ生き物と宝石を組み合わせようと思ったのですか。

もともとは写真のような作品を制作していたのですが、自分の作品だと分かって貰えるような絵を描きたいという思いから色の濃淡の勉強の題材であった宝石と生物を組み合わせて描いてみようと思いました。
マツダケンさんという尊敬している作家さんの作品に影響を受けていた部分は多いと思います。


模写時代の作品

――生き物と組み合わせる宝石はどのように決められていますか?

誕生石と季節感にあった生物、宝石の色合いや生物の色合いに合わせて描いていたりと、生物にオシャレさせているイメージで制作しています。

――宝石にハマったきっかけなどありますか?

もともとは色の濃淡などの練習モチーフだったのが、お仕事をいただくようになって調べていくうちに石にハマっていきました。

――どんなものからインスピレーションを受けていますか?

生物や、宝石を見て考えることが多いです。色々な展示や音楽からアイデアが出ることもあります。

――安部さんが実際に所持されている宝石はありますか?

主に誕生石を集めています!お仕事で制作させていただく場合は、可能な限り購入するようにしています。


お気に入りの宝石コレクション

――ズバリ、安部さんの一番好きな宝石は?

オパールです。でも最近は原石のベリルが好きです…。

――今後挑戦したいものについて。

画家としては、巡回できるくらいの展覧会や作品集を出版したいですが、メイクアップアーティストとしても活躍できるようになりたいです

カプセルトイ「生物×宝石」について

――カプセルトイ化に至った経緯を教えてください。

スタンド・ストーンズ様からカプセルトイ化させてほしいというご連絡があったのがきっかけです。
もともと、イラストレーターである、ぽん吉さんのおやさい妖精さんシリーズのファンだったので、ふたつ返事で実現しました。

――実物はもうご覧になりましたか?その時のお気持ちは?

拝見しました!カプセルトイでこれほどのクオリティで再現していただいてとても嬉しかったです。
クリアパーツの部分や平面で分からない部分の再現にはとても驚きました。

カエル×エメラルドについて

――カエルとエメラルドを組み合わせた理由を教えてください。

5月頃から活動するカエルにピッタリだと思い、誕生石のエメラルドをモチーフに選びました。

――表現が一番難しかったところはどこですか。

カエルとエメラルドの境目をわからないように意識して塗ることが難しかったです。

――制作時間

塗りだけですが、8日ほど(50〜60時間)。

ハリネズミ×アメシストについて

――ハリネズミとアメシストを組み合わせた理由を教えてください。

ハリネズミの針の部分をアメシストクラスターにしたら美しくなるのではないかという発想からアメシストを融合させました。

――表現が一番難しかったところはどこですか。

ハリネズミが少し丸まっているような構図にしたかったのですが、正面から見た時にアメシストを立体的に表現するのが難しかったです。

――制作時間

塗りだけですが、10日ほど(80時間)。

ペンギン×アクアマリンについて

――ペンギンとアクアマリンを組み合わせた理由を教えてください。

ペンギンのお腹をアクアマリンで氷のように見立てました。

――表現が一番難しかったところはどこですか。

顔周りや毛並みが細かくて描き込むのに苦戦しました。

――制作時間

塗りだけですが、10日ほど(80時間)。

タツノオトシゴ×トパーズについて

――タツノオトシゴとトパーズを組み合わせた理由を教えてください。

タツノオトシゴのお腹をオーバルカットにみたてて、融合させています。色味はタツノオトシゴに合わせてインペリアルトパーズを選びました。

――表現が一番難しかったところはどこですか。

微妙にタツノオトシゴのお腹とオーバルカットの形が違ったので難しかったです。

――制作時間

塗りだけですが、4日ほど(30時間)。

ウミガメ×ルビーについて

――ウミガメとルビーを組み合わせた理由を教えてください。

こちらの作品は、アカウミガメをモチーフにしている作品なのですが、アオウミガメとサファイアを融合させている作品と対にしたく、同じコランダムであるルビーを融合させました。

――表現が一番難しかったところはどこですか。

宝石を立体的に見せつつ、美しいと思って貰えるような構図で描くのが難しかったです。

――制作時間

塗りだけですが、10日ほど(80時間)。

――購入を検討中の皆さんに一言お願いします。

僕の夢であったものが、沢山の反響がありとても嬉しいです。
ぜひ皆さんの欲しい子が手に入りますように!

制作担当者コメント

――カプセルトイ化に至った経緯を教えてください。

佐藤:安部さんの作品はTVやSNSで以前から拝見していました。
『ウミガメと宝石』イラストの巨大壁面広告をビックカメラ有楽町店で見まして、こんなフィギュアがあったらいいな……と漠然と考えたのがきっかけです。その後、安部さんが弊社のガチャフィギュアを購入してくださったことをTwitterで知り、お声がけしてみようかなと思ったのが経緯です。

――宝石の輝きや透明感はどのように再現していますか?

ムートン・牛山:クリアの成形は分割面が見えてしまいますので、奥行きを感じさせないように分割面の形状と内側の色に工夫をしております。

――今回は柔らかい生物と硬い宝石の組み合わせですが、質感の差を出すために
工夫された点はありますか。

ムートン・牛山:質感の差は、違いがありすぎるので、造形面で正直工夫はあまりなく(個人的な感想ですけど質感が近い物の方が造形の差を出すのが大変なので……)、それよりも、現実ではありえない組み合わせなので立体にした際、物として違和感が生じるようなものになってしまうのではないかと心配でした。
しかし、安部さんのイラストに説得力があるので、宝石主体で動物を造形して自然に見えるように立体に起こしてみると、無理なくまとまったかなと思います。

――最も再現が難しかったところはどこですか?

ムートン・牛山:今回の原型を作る上で一番難しいのは宝石部分の成形が生産されるときにどう再現されるか……ではないでしょうか。
どのような生産をしたいか、明確なビジョンもあったので、原型制作時に、外観の造形、分割、出力、磨き、塗装、金型など、その分野に詳しい人々に関わってもらい都度話し合い、全ての工程を事前に想定しながら原型制作をおこなっています。小さな造形物ですが、長年の知識と技術が見えないところに詰まっています。

――一番の見どころを教えてください。

佐藤:このフィギュアは、原型と彩色についてもかなりこだわりの強いものになっていますが、製品にする場合の接着ボスをどのように隠すかなど、本当に様々なアイディアが詰まっています。
絶賛開発進行中ですが、安部さんのイラストが立体になるとこうなんだ!と感じていただけたら嬉しいです。

Profile

安部祐一朗

2002年京都府京都市生まれ。メイクアップアーティストに憧れ、高校入学時に色の濃淡など勉強の一環として、独学で色鉛筆画を描き始める。長靴をはいた描(ねこ)というハンドルネームで、2018年にSNSに投稿した宝石の色鉛筆画が拡散され、それをきっかけにテレビ番組や、メディアから取材を受け注目を集める。2020年「生き物×宝石・鉱物の融合」をテーマに色鉛筆画を描きはじめ、個展やライブドローイングなど活動の幅を広げる。2022年、国立科学博物館「宝石展」コラボレーション作家。

Twitter:@yuichiro_abe
Instagram:@_yuichiro_abe
YouTube:チャンネルページはこちら

商品情報

『生物×宝石』

発売予定日:2023年1月
販売元:株式会社スタンド・ストーンズ

原型


「カエル×エメラルド」


「ハリネズミ×アメシスト」


「ペンギン×アクアマリン」


「タツノオトシゴ×トパーズ」


「ウミガメ×ルビー」