スカルプターズ・ラボ

○○○が6つ子に変身!? 『おそ松さん』3期エンディングムービー撮影現場

撮影:長尾真志

現在絶賛放送中のTVアニメ『おそ松さん』第3期。この大ヒット作のエンディングムービーは、シリーズを通してドワーフ(http://www.dw-f.jp/)が制作を手がけている。今回はその撮影現場を取材。1月から放送開始の新作エンディングについて、演出の青松拓馬さん、プロデューサーの伊藤大樹さんにお話を伺った。

INTERVIEW

――今回のテーマを教えてください。

伊藤:おそ松さんのエンディングムービーは今回で6回目(1~3期×前・後編)となります。

1期のキャラクターデザインをされていた浅野さんと、以前NHKの『花は咲く』というアニメでご一緒したご縁でお声がけいただき、ドワーフの中でも変なモノ好きな(笑)青松が演出、僕がプロデューサーをしています。制作のぴえろさんからは毎回「好きにやっていいですよ」と言っていただいていて、ありがたい反面、何をしようかすごく悩むんですよね。

今回はぴえろの富永禎彦プロデューサーから、アニメ本編も「原点回帰」を意識しているという話を伺ったので、演出の青松と話して、もう一度1期エンディングのモチーフ「おでんとカラシ」に戻ることにしました。もちろんそのままやっても面白くないので、前は平面的だったけれど今回は立体のアニメーションにして、バージョンアップした感じもありつつ1期から見ている人が懐かしくなることを意識しました。

舞台はチビ太のおでん屋台を彷彿とするおでんの皿。盛り付けられたカラシが6つ子に変身していく。温泉のようにおでんに浸かっていたり、ちくわの中に収まったり……最後はおでんの具材が合体し、巨大なロボットとなる。

青松:おでんのロボは今回の見せ場の一つですね。こちらは売っているような、ごく普通のおでんを並べて作りました。色を染み込ませるために、自分たちで煮込んだりしました。

伊藤:カラシの6つ子と背景のおでんは別撮りして、あとから合成します。

(撮影:編集部)今回は①人形アニメの撮影を見学。カラシから人型になる様子は、ねんどを使い逆回転で撮影するそうだ。

 

――音楽は3期登場のキャラクター・オムスビです。

青松:エンディングアニメーションには登場していませんが、オムスビたちが神のような視点で、バカな6つ子たちを見下ろしている、というイメージですね。今回は音楽より先行する形で「おでんとカラシ」をモチーフにした企画を作り、そこから絵コンテを切って、音楽デモがきた段階で微調整する、という順番をとりました。

伊藤:本日見ていただく撮影は、カラシから変身したおそ松たちがおでんに飛び込むところです。

タンクに取り付けられたおそ松の人形を、アニメーターが少しずつ動かして撮影。背景が黄色なのは、合成したときにおでんになじみ、かつ人形自体も黄色なので反射光で不自然な色が出にくいからとのこと。

――人形について。

伊藤:今回、アニメーションと人形制作はスタジオプラセボさんにお願いしています。頭部は粘土原型を型取りして製作しました。6つ子それぞれに「ノーマル」と「笑顔」の2種類を用意して、付け替えて表情に変化をつけていきます。体も粘土原型を型取りして、中にワイヤーの入ったシリコンに置き換えています。効率的に進めるために人形も1体ずつ撮影して合成。全身黄色でシルエットも同じなので、カットによっては1体だけ撮って増やしたりもします。

実際の人形。頭部は有機溶剤系ウレタン注型剤ポリエステルパテ製。体は付加型シリコンの中にワイヤー。頭は半透明のアクリル絵の具で着彩し、体はシリコンにトナーを内部着色している。手足を動かした際のシワについては、「シリコンを硬くすることでシワは少なくなります。しかし硬くすることで動き幅に制限が出てきます。人形を動かす演出とのバランスで諸々を決めていきます」(スタジオプラセボ)とのこと。

粘土原型(撮影:ドワーフ)ポリエステルパテ製。

頭部 

複製用の型(撮影:ドワーフ)縮合型シリコンで型を取る。

――6つ子の個性について。

伊藤:「6つ子だけど個性がある」というのが『おそ松さん』の魅力だと思うので、毎回意識しています。声優さんもそれぞれ違って、ファンの方にも「このキャラが好き」というような愛され方をしていますよね。今回は全員黄色で、しかも画面の中でキャラクターが小さいので、遠目に見てもわかるように原型や動きでちゃんと違いをつけています。

青松:おそ松は、動きとしては全員のベーシックになるというか、一番普通の動きをさせています。そこから弟たちは変化をつけていきました。カラ松はかっこいい、ナルシストなポーズ。チョロ松はオタクっぽくて真面目なところがあるので背筋を伸ばして、おでんに飛び込むシーンも、恐る恐る、といった動きをつけています。一松は根暗な感じなので、常に猫背で他のキャラより頭を前に出して、動きも緩慢です。それに対して、十四松はポップなキャラクターで身体能力も高いので、対照的に大きくうごかしています。トド松は乙女なキャラクターなので、内股にしたりしています。

「ベーシックな」おそ松と、「かっこいい」カラ松。

――完成が楽しみです!本日はありがとうございました。

PROFILE

青松拓馬

1979年大阪生まれ、大阪芸術大学映像学科卒。2006年ドワーフ(現・xpd ドワーフ事業部)入社。
アシスタントとして、「どーもくん」の広報ショートクラッチをはじめ、 数々のドワーフキャラクターや作品づくりの展開戦略・映像制作や演出に関わりキャリアを積み、現在は、演出、キャラクター開発、 アニメーション制作、など幅広い分野で活動中。その作品はインパクトある独特の作風。強烈な個性を放つ。
第29回ザ・チョイス年度大賞、AD STARS2018 GOLD、ADFEST2019 SILVERなど受賞多数。
主な作品は、復興庁CM「親子で学ぼう」篇、『えいがのおそ松さん』オープニング、Ai「Ai to 哀」など。

伊藤大樹

2012年ドワーフ(現・xpd ドワーフ事業部)入社。
2016年にAmazonスタジオと共同制作した「The Curious Kitty & Friends」にライン・プロデューサーとして参加。その後、プロデューサーとして多数の作品を手がける。
プロデュース作品: 「ニクいよっ!カルビくん」「モリモリ島のモーグとペロル」「おそ松さん」シリーズ ED映像「BEASTARS」OP映像/Netflixオリジナルシリーズ「リラックマとカオルさん」他。

 

TVアニメ『おそ松さん』第3期

放送情報

テレビ東京:10月12日(月)から毎週月曜日 深夜1時30分~放送

テレビ大阪:10月12日(月)から毎週月曜日 深夜1時30分~放送

テレビ愛知:10月12日(月)から毎週月曜日 深夜1時30分~放送

※放送日時は変更となる場合がございます。

AT-X:初回放送:10月15日(木)から毎週木曜日21時00分~放送

リピート放送:毎週土曜 13時00分/毎週火曜 29時00分

イントロダクション

日本一有名な6つ子の伝説、3度目の開幕!!!!!! 今度はかつてない新展開が待ち受ける!?
2015年、赤塚不二夫生誕80周年記念作品として、赤塚不二夫の名作ギャグ漫画「おそ松くん」を原作に、6つ子が大人になった姿を描いたTVアニメ「おそ松さん」。20歳を過ぎてもクズでニートで童貞。でもどこか憎めない松野家の6つ子が繰り広げる日常を描き、社会現象を巻き起こした。
あれから5年―。TVアニメ第2期、劇場版「えいがのおそ松さん」を経て、待望のTVアニメ第3期が2020年10月より 放送決定!
お馴染みの冴えない6つ子たちは、今作でも色々間違った方向に大暴れ!?
そして、松野家に新たな変化も訪れる…?
あの問題作が今、再び!

©️赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会