【CHARA MAKING LAB 】vol.5 デザイナー・MUUK「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」

オリジナルソフビ・キャラクターを制作・販売するクリエイターたちの創作の裏側に迫る連載企画「CHARA MAKING LAB」


第5回は、デザイナー・MUUK氏。


自身が手がけるキャラクター「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」について、誕生のきっかけからデザインのこだわりまで、その制作の裏側を伺った。

まずはインタビューに先立ち、「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」のプロフィールを紹介!

 

 

「トーストブレッドボーイ」Profile

名前

トーストブレッドボーイ

サイズ

約45mm

性格・特徴

協調性は高いが、それぞれの個性に誇りがある。

 

 

「ジュースボックスボーイ ミルクパック」Profile

名前

ジュースボックスボーイ ミルクパック

サイズ

約106mm(ストロー差込時約114mm)

性格・特徴

穏やかで人当たりが良く、去る者追わず来る者は拒まない。
その静けさの奥に、密かな野望を秘めている。

 

INTERVIEW

——初めてオリジナルキャラクターを制作されたのはいつ頃でしたか?

もともとイラストをメインに活動しており、2014年頃から可愛い女の子のキャラを描いていました。以降2019年頃、MUUKTOYを発足した当時、食べ物を中心としたキャラを制作していました。

2014年頃の活動資料

——いつ頃からイラストレーターになりたかった?

子どもの頃からずっと絵を描いていて、高校生の頃には「イラストを描きながらデザイナーになりたい」という夢を持っていました。

その後、就職してからもイラストレーターへの思いはずっとあったのですが、自分にはデザインの仕事のほうが向いていると感じて、まずはデザイナーとしての業務をメインに続けていました。イラストはその間ずっと、趣味として描き続けてきました。

——「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」が誕⽣したきっかけをそれぞれ教えてください。

トーストブレッドボーイ
当時モデリングの練習として食べ物のキャラを制作していました。その中のシリーズとして誕生したのがトーストブレッドボーイです。

ジュースボックスボーイ ミルクパック
トーストブレッドボーイの延長として、何かギミックがあって、デザインの幅が広がるようなベースキャラを作りたくて誕生したのが、ジュースボックスボーイです。もともとデザインが好きなことや、仕事柄パッケージのデザインを行っていたので、それも生かしつつ自分が楽しく作れるようなキャラを立体にしたいと思ったのがきっかけです。

——ソフビを制作しようと思ったきっかけを教えてください。

フィギュアが好きで、過去に仕事でPVC製フィギュアを扱っていたこともあり、自分が作る造形物もできればPVCに近い表現にしたいと考えていました。しかし実現のハードルが高く、まずはレジンキャストで制作・販売を行っていました。ただ、レジンキャストは完成までの工程が非常に多く、今後も一人で続けていくことを考えると厳しさを感じていました。

解決策を探している中でソフビという素材に注目し、調べてみたところ、コスト面・工数面のどちらにおいても自分の制作スタイルに合う“現実的な素材”だと分かりました。そこでレジンキャストからソフビへ切り替える決断をし、現在のソフビ制作に至っています。


らくがき・初期ラフ

——最初に制作されたキャラクターは?

最初に作ったのは「アイスキャンディー」のキャラクターだったと思います。ラフを手描きで描き起こした段階から、すでに“ちょっと困ったような顔”になっていて、今の表情の原型はその頃からあった気がします。


初期ラフ

——使用されているソフトは?

Blenderを使っています。

——「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」について、それぞれのこだわりや苦労した点を教えてください。

トーストブレッドボーイ
カプセルトイに苦戦しました。特に顔はキャラクターの命なので、自分の基準でかわいく見えるような位置感・サイズ感に仕上がるようにしました。彩色は美味しそうに見えるようにこだわっています。例えば、パンの側面は当初1色でしたがあまり美味しそうに見えなくて……そこで3色のグラデーションに変更して、焼けた印象を加えたことでより美味しそうに見えるような仕上がりにしました。

ジュースボックスボーイ    ミルクパック
ソフビ化にあたって、苦労したのはこの造形を再現できる工房と印刷所を探す工程でした。実際の製造工程では、むしろお願いしていた工房や印刷所の方々にご負担をかけた部分が多かったと思います。というのも、このキャラクターはソフビとしては非常に難しい造形だそうで、特に平面部分・細い手足の再現が大きなハードルだったと伺いました。ソフビの成形では、平面は難しくさらに手足の細さもかなりギリギリを攻めたそうです。もともと制作していた造形はPVC製を想定していたものだったので、それをソフビにすることは結構難しかったそうです。
そのため、ソフビ化をお断りされてしまったり、製造価格が販売価格と見合わず断念したりと製造探しはとても大変でした。印刷所についても同様に、ソフビへの印刷自体が珍しいことに加え、コスト面の問題から受けていただけるところがなかなか見つかりませんでした。そんな中で製造と印刷の両方を受けてくださった工房・印刷所の皆さんには本当に感謝しています。

ミルクパックのソフビ化・印刷の難しさについて以下で工房の方が詳しくお話頂いていますので、ご参考に!

——「トーストブレッドボーイ」「ジュースボックスボーイ ミルクパック」の性格や関係性など、設定があれば教えてください。

本当は各キャラにストーリー性を付けた方がキャラに深みが出てより魅力的になるんだろうなとは思ってたのですが、当時立体にすることが目的だったのであまり設定がなく……!(笑)。ボーイシリーズは基本的に兄弟的なニュアンスでもあるので、一応皆家族?親戚?的な要素はうっすらあります(笑)。手にした皆さまの解釈でいろいろな設定やストーリーをつけて楽しんでいただけますととても嬉しいです!

——困り顔のような愛らしい表情がとても印象に残る作品だと感じますが、こちらの表情になった経緯を教えてください。

当時、ただの食べ物のキャラだとつまらないなと思ったことや、笑っているキャラはどちらかというと多いと思っていて、ある程度他キャラと差別化を図る・マイノリティ感をそれとなく出したかったので、その結果この困った顔になったのかなと思います。

——「ジュースボックスボーイ ミルクパック」について、デザインもとてもポップでたくさんの種類がありますが、こちらのこだわりも教えてください。

個人的にカラバリを考えるのが好きで、一年で衣替えするミルクパックを作ろうと考えてたのがこだわりです。一年間でいろんなイベントがあるかと思います。春はお花見、夏は祭り、秋はハロウィン、冬はクリスマスなど、職業柄季節をイメージしたデザインをすることがあるので、その延長で衣替えしたミルクパックをたくさん作りたいという思いで制作して参りました。他にもいろんなモチーフをベースにしてデザインをしていきたいので、今後もいろいろなミルクパックを楽しみにしていただけますと幸いです!

——「トーストブレッドボーイ」は多くの仲間たちが登場していますが、それぞれのデザインや種類のアイデアはどのように⽣まれていますか?また、設定などは書き留めているのでしょうか?

その時自分が好きなモチーフだったり、作りたいものだったりで構成されています(笑)。トーストブレッドボーイの場合は、ある程度バリエーションを出した種類にしました。甘いもの、しょっぱいものなどです。トーストブレッドボーイ以外も共通して言えるのですが、ある程度はみなさんに受け入れてもらえる・手に取ってもらえるような、あまり外さないモチーフやデザインだったりを結局意識したりしています……(職業病なのかもしれません)!

イメージラフ的なものは公開できるものから、メモ書き程度のラフは書き溜めています。SNSで投稿しているものは、今後制作しようと思っているものだったり、「作ろうメモ」でもあったりします。

——デザインを考える際は、キャラクター(性格や設定)を先に考えますか?それとも、モチーフとなる⾷べ物などの“題材”から考え始めることが多いですか?

断然モチーフから考えることが多いです!自分が好きなモチーフがたくさんあるので、やはりそれをかたちにしたい思いがあるので!

——今後、制作してみたいキャラクターや、コンセプトとなる⾷べ物のモチーフはございますか?

「フードアタック」というシリーズの新キャラです!ラフまで描いてあとは手を付けていないので、来年はそれを完成させたいです!ほかには、機械+食べ物(例:自販機・フードショーケース)をモチーフとしたキャラが立体化できたら……という感じです!

フードショーケースデザイン

——⾊のバランスを考える際に意識されていることはありますか?

ベースは自分がテンションの上がる色を基準にしています(笑)。そこから、季節感や雰囲気に合わせてバランスを調整しています。

——オリジナルキャラクターを制作される際に、⼀番⼤切にしていることは何ですか?

自分が楽しんで作れるようなキャラというのが前提にあります。つまらないと細部を気にしなかったり、中途半端なものになってしまうので。そこからまたバランスを調整しながらという感じです!

——今後挑戦してみたいこと、展開してみたいグッズなどがあれば教えてください。

挑戦枠では、店外にディスプレイされていそうな大きいフィギュアが作りたいです!「ジュースボックスボーイ」などの育成ゲーム風の液晶玩具を作りたいです!展開してみたいグッズ枠では、キャラ型のポーチやクッション、ぬいぐるみ系の雑貨を展開したいです!

——今後の野望や⽬標を教えてください。

飲料メーカーやお菓子メーカー、推しのIPキャラ、推しの音楽アーティストとのコラボデザインのミルクパック(ソフビ)などを作らせて頂けたら本望です……!!

——いち早く⼊⼿できる⽅法を教えてください。

MUUKTOYの公式ストアや、各イベントになります。

——最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いいたします。

初めは自分の個人的な趣味から始めたMUUKTOYでしたが、今ではとてもたくさんの方にお目にとめていただけたり、アイテムを手にしていただいたりして本当にありがたいことと思っています……!皆さんの「このキャラ・デザイン好き!」という声や手に取っていただけること、大事にしてくださっているお写真を拝見すると、苦労はあっても生み出した甲斐があったなとしみじみ思います。今後も引き続き応援いただけますと幸いです!

 

 

 

出展予定情報

2025年12月3日~14日 MUUKTOY個展

場所:TOKYO PiXEL. shop & gallery(〒111-0042東京都台東区寿3-14-13-1F)
時間:12:00~19:00
※会期中12/8(月)、9(火)はお休み
※会期最終日12/14(日)は17:00終了

在廊予定日
12/6(土)、12/7(日)、12/13(土)、12/14(土)仮予定
※作者SNSで最新の情報をご確認ください。

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Profile

DesignerMUUK

 MUUK(ムウク)と読みます。イラスト・グッズ・3DCG・アートトイ・グラフィックデザインをしながら個⼈で活動中。⾊々なものづくりが⼤好きなデザイナーです。今後も新しい表現⽅法にチャレンジ出来ればと思います!(本職:ゲーム会社勤務グラフィック・グッズデザイナー)

Instagram:@muuktoy
webはこちら

MUUKTOYについて

デザイナーMUUKがイラスト・グッズ以外の制作に興味を持ち、2019年頃3Dソフトを使ってフィギュア制作をスタートさせた事がきっかけとなり、ブランドが発⾜。現在はアートトイ・ソフビの他、アクリルグッズやその他雑貨等のデザイン制作•販売等を⾏っています。また、ソフビではトイストア様からの別注カラー制作をはじめ、アイドルとのコラボ企画、カプセルトイ化・プライズ化などの案件も手がけております。