【CHARA MAKING LAB 】vol.11 キャラクターアーティスト&イラストレーター・KAMAKIRI「GABULIEN」「magic horse」

オリジナルソフビ・キャラクターを制作・販売するクリエイターたちの創作の裏側に迫る連載企画「CHARA MAKING LAB」。

第11回は、キャラクターアーティスト&イラストレーター・KAMAKIRI氏。

自身が手がけるキャラクター「GABULIEN」「magic horse」について、誕生のきっかけからデザインのこだわりまで、その制作の裏側を伺った。

まずはインタビューに先立ち、「GABULIEN」「magic horse」たちのプロフィールを紹介!

「GABULIEN」Profile

名前

GABULIEN

サイズ

全高約12cm

性格・特徴

ガブッと噛みつくエイリアン、その名もガブリアン。
噛みついたものの色や模様を身体にコピーできる能力を持つ。
なんにでも興味をしめすが大したことは考えていない。
今はとにかく噛むことを楽しんでいる。

 

「magic horse」Profile

名前

magic horse

サイズ

全長約10cm

性格・特徴

しあわせをはこぶまじっくほーす。
今日もたくさんのしあわせを届けるために世界中をとびまわります。

 

 

INTERVIEW

——初めてオリジナルキャラクターを制作されたのはいつ頃でしたか?またどんな作品を制作されましたか?

小中学生のころからキャラクターづくりは楽しんでいました。
実は当時のノートも全て残しています。
本格的にキャラクターと向き合い始めたのは美大生時代です。
周りの友人達が黙々と人物デッサンなどをする横でひとり、モンスターやドラゴンといったオリジナルの世界に浸っていました。
当時は自身が考えたキャラクターをどのようなマテリアルに落とし込むべきか明確な答えを見つけられず、
ただただキャラクター設定資料のようなものばかりを量産しておりました。
今改めて見てみるとおもしろい発見や作品アイデアが眠っているかもしれませんね。

——ソフビを制作しようと思ったきっかけを教えてください。

美大卒業後すぐにキャラクターデザイナー、イラストレーターとして上京し、運のいいことにフィギュア作品を展開される多くの先輩方ともご一緒させていただく機会に恵まれまして、自身もタイミングをみてフィギュアをつくろうとかなり早い時点で決めていました。
そんな中、海外のメーカー様からフィギュアの製品化のオファーを頂戴し、初めてのソフビフィギュアを制作することになったのです。
現在は多くの企業様から自身のキャラクターフィギュアを販売していただいたり、カプセルトイとして全国展開されたり、
もちろん自ら全てプロデュースしているシリーズもあったりと、フィギュアとの関わり方も様々です。

——「GABULIEN」「magic horse」それぞれのこだわりや苦労した点を教えてください。

自身のスタイルにもいくつかパターンがあると考えているのですが、
ガブリアンやまじっくほーすに関しては特にシンプルな要素で構成されていると思います。
ペイントによるカラーバリエーションで横展開したかったので、「キャンバス」として飽きのこない形状をデザインする必要があったのです。
それでいて自分らしさももちろん必要ですので、要素の足し引きといったバランス感が重要だったと感じています。

——制作過程で印象的だったエピソードがあれば教えてください。

フィギュアに限らずですが、キャラクターは描いて描いてを続けていくうちにどんどん自分の手に馴染んできたりもするので、
描きなれた後に改めて初めて描いたスケッチを見てみると随分と違った印象を受けたりします。
このキャラクター達もまさにそうで、どんどん洗練されて良くなってきたタイミングにフィギュア化したのですが、
思いついたその瞬間につくらなくて本当によかったな……と思うほど初期イラストはかわいくなかったですね……。

——シルエットやフォルムはどのように考えられているのでしょうか?

いつもポケットに入れて持ち歩いているスケッチブックがありまして。
移動中や待ち時間など、タイミングを見つけては「なんとなく」のらくがきをたくさんするのです。
何を描くでもなく線を走らせる際は特になのですが、「気持ちのいい線」になるよう意識を集中して描くことが多く、
何度も何度も気持ちよさの精度を上げるために同じような形状を繰り返します。
他の皆様が見るとおそらく、同じ形をただ繰り返し描いているように見えるかもしれませんが、シンプルであればあるほどほんのちょっとしたバランスの違いで
全く違った印象になるので納得のいく完璧な形になるまで根気強くその作業を続けます。
「これだ!!!」と形がきまる感覚に至ったときは最高にうれしいです。

——色のバランスを考える際に、意識されていることはありますか。

その作品によって考えることは様々ですが、たくさん色を使う作品の場合はパズルのような感覚で制作を進めているかもしれません。
画面全体に対してどのあたりが重くなっているか、隣り合う各色同士の相性はどうなっているか、
「ここをこうすると、ここがこうなってしまうのか、じゃあここをこうして…」と考えこむこともあります。
 

「GABULIEN」について

——「GABULIEN」が誕生したきっかけをそれぞれ教えてください。

モチーフは特にありませんでした。
ガブリアンに限らず、ほとんどのキャラクターが線遊びから始まっています。
そこから段々と性格や世界観をキャラクターと共に膨らませていくようなイメージです。

——「GABULIEN」シリーズの世界観について教えてください。

ガブリアンという名前は「ガブッ」と噛みつく「エイリアン」という意味で考案した名称です。
噛みついた対象物の色や模様を身体にコピーすることができるというのが特徴です。
最近ご縁あって絵本を出版させていただいたのですが、ガブリアンのガブくんが色々な模様に変化してお気に入りの模様を探す一日を描いています。

——目が特徴のひとつですが、制作の際にこだわった点や、大きな目にされた経緯を教えてください。

毎日このような絵を描いているので、半自動的にこのような形状になっているところもあります。
大きな目…確かに…大きいかも…。と今初めて意識して考えたほどです。

——口元も印象的ですよね。

こちらも目同様無意識に近いです。
笑っている口はやっぱりかわいく感じます。

——脇腹にある線も気になりますが、「GABULIEN」の特性なのでしょうか?

デザイン的な観点でお話しするなら、所謂アクセントです。
比較的フラットな面の多いキャラクターですので、ペイントなしの状態でも全体の印象として間延びしないデザインを意識して足しました。

——塗装にはビビッドな色が使われていますが、色使いのこだわりや意識されていることを教えてください。

コンセプトによっては彩度の低い色も使いますが、確かにビビッドな色が好みですね。
気分が明るくなったり楽しい気持ちになったり、身の回りに置いてあるものも元気になれるような色が多いです。

 

 

「magic horse」について

——「magic horse」が誕生したきっかけをそれぞれ教えてください。

まじっくほーすは最初缶バッジをたくさんつくる際に描いたイラスト群のひとつでした。
その缶バッジを販売したイベントで、海外のフィギュアメーカー様からオファーをいただきポリストーン製のスタチューフィギュアを制作したのが立体化の第一歩でした。
その後スタチューとはまた別に自身で制作した粘土原型をソフビ化したものが現行のまじっくほーすソフビです。

——モチーフや参考にされたキャラクターなどはいるのでしょうか?

普段モチーフのないキャラクターばかりなので、一度かわいいの王道をいくような動物っぽいキャラクターを作ってみたかったのです。
ペガサス、ユニコーン、といったファンタジーなモチーフを自身のスタイルで表現したらどのようになるかな、というところがイメージの源です。

——「magic horse」の性格や関係性など、設定があれば教えてください。。

カラーによってそれぞれ違った性格を設定しています。
おとなしい子がいたり走るのが速い子がいたりパーティー好きな子がいたり。
誰と誰が仲良しで~なんてエピソードも一緒に考えながら制作していたりします。

——口がないデザインですが、それでも可愛らしさが伝わります。口をなくした理由を教えてください。

こちらも今初めて意識しました。
「あ、たしかにお口がない!」と。
かわいいキャラクターフィギュアではありながらもインテリア的なお洒落さも兼ね備えていてほしい、
そのような願いを込めてデザインしたのが関係しているのかもしれません。

——「akabeko」「yukiusagi」など、モチーフごとに色がありますよね。

同じ形状でもカラーやデザインが違えば全く別のキャラクターになり得ると思います。
そういった楽しみ方をしていただくためにも、単なる「色違い」に見えてしまわないよう意識しています。
それぞれの色や線や塗り分けに対してしっかりと理由を説明できるようなデザインになっているかが重要なのです。
色違いでなくデザインなのです。
まじっくほーすというキャンバスの上に新しいコンセプトでデザインをするプロセスは実に創造的でドキドキする瞬間です。

——今後、挑戦してみたい、モチーフがあれば教えてください。

アイデアノートにはすでにおそらく一生分?とも言えるような量のアイデアが順番待ちをしている状態です。
それらをひとつひとつ形にしていくこともまた私の幸せのひとつです。
今年はうま年ということもあり、少々気合の入ったデザインも制作できればうれしいです。
工数は多くなりそうですがメカマジックホースなんかはやってみたいです。

——オリジナルキャラクターを制作される際に、一番大切にしていることは何ですか?

しっかりと自分らしいものになっているか、と常に自問自答しています。
自分らしさの定義も振れ幅も日々変化し続けるものなので、こんな線はどうだろう?この色はさすがに違うかな?このタッチ意外としっくりくるかも?
とスタイルを固めすぎず毎回フレッシュに確認しながら「自分らしさ」というものと向き合っています。

——今後挑戦してみたいこと、展開してみたいグッズなどがあれば教えてください。

飾るためのフィギュアだけでなく、遊べる「おもちゃ」や「ゲーム」もだいすきなので、
皆様に夢中で遊んでいただけるようなシリーズを展開できればうれしいです。

——今後の野望や目標を教えてください。

ここ数年、これまで関りがなかった分野や企業様とのコラボレーションなどにより、自身のキャラクターが様々なフィールドで活躍してくれるようになりました。
これからもどんどん新しいカルチャーに進出していければうれしいです。
「あなたのキャラクターやイラストでこんなことやりませんか!?」というご提案もお待ちしております。
また、今後は改めてトイの分野にも力を入れていきたいと考えており、私としては珍しく新規造型アイテムの制作をいくつか並行して進めている最中です。
KAMAKIRI作品でお部屋を賑やかにしていただけますと幸いです。

——いち早く入手できる方法を教えてください。

国内トイイベントなどに参加する機会はあまり多くないのですが、代わりに個展や自身のポップアップショップなどの機会を積極的に増やしていこうと考えております。
行ったことのないエリアにもチャレンジしてみたいと考えておりますので各会場で作品をご覧いただければと存じます。
新作発表の際はウェブショップで抽選販売などを行うことも多いので是非チェックしてくださいませ。

 

——最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いいたします。

いつも応援してくださっている皆様方、本当に本当に本当にありがとうございます。
これからもたくさんの作品を制作して参りますのでどうかどうかお付き合いくださいませ。
よろしくお願いいたします。

 

 

Profile

KAMAKIRI

代表作である「ガブリアン」「まじっくほーす」などキュート&コミカルなタッチで作品を発信するキャラクターアーティスト。
活動内容は多岐にわたり、ギャラリー等でのエキシビジョン、オリジナルトイの制作販売、企業キャラクターデザイン、書籍やゲームソフトへのイラスト提供、アパレルブランドとのコラボレーションなど様々。

Instagram:@kamakiri_art
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