【原型師INTERVIEW 】リアルに再現された杉元・尾形の筋肉にも注目!!『ゴールデンカムイ』1/7スケールフィギュア原型制作インタビュー!

2023年4月に第四期の放送がスタートする大人気TVアニメ『ゴールデンカムイ』より、「ゴールデンカムイ 杉元佐一完成フィギュア」「ゴールデンカムイ 尾形百之助完成フィギュア」が1/7スケールで登場!手がけたのは、プライム1スタジオのフィギュアブランド「PRISMA WING」。今回フィギュア原型を担当したさとさんとプライム1スタジオさんに制作秘話をを伺った。

 

INTERVIEW  原型師さと・プライム1スタジオ

——『ゴールデンカムイ』はどのキャラも全員個性が強く魅力的ですが、なぜ杉元・尾形に厳選して立体化されたのでしょうか。

プライム1スタジオ:企画会議の場でも、どのキャラクターを立体化するか盛り上がり、様々なアイデアが飛び交ったのですが、このラインナップに至りました。二人の物語もフィギュアから感じ取っていただけるような仕上がりですので、是非お手に取っていただければと思います。

——描き下ろしイラストの立体化ということですが、ポーズや顔の表情など原作やアニメで参考にされたシーンがありましたら教えてください。

プライム1スタジオ:参考資料というと原作やアニメは勿論、設定資料等すべて参考にさせていただいたのですが、特定のシーンというよりは対峙する杉元と尾形、というシチュエーションを最大限に感じ取っていただけるよう、ポージングにこだわりました。台座ももちろん、並べて飾ることを想定した仕様となっています。

——雪のジオラマの素材について教えてください。

プライム1スタジオ:コンセプトアートにある雪景色という背景、特に日中の陽光が雪に反射したという情景を再現するために、見る角度によって輝き具合が変わる、ラメを使うという手法を駆使しました。量産時での再現も楽しみにしていただければと思います。

——原作やアニメ以外で、銃器(三十年式歩兵銃)や剣(三十年式銃剣)の参考にした資料はありますか?

さと:武器を専門にしているサイトを見たり、あとは製作委員会から資料をいただいたりして参考にさせていただきました。

杉元佐一の三十年式歩兵銃

杉元佐一の三十年式実包

杉元佐一の銃剣

杉元佐一の弾薬盒


尾形百之助の三八式歩兵銃

——軍服のシワなど工夫された点がありましたら教えてください。

さと:あまりリアルにしすぎると少し浮いてしまうので「このくらいでどうだろう」というところでプライム1スタジオさんに一度見ていただき、アドバイスをいただいて調整をしました。

——軍服の重ね着表現のコツを教えてください。

さと:軍服とマントや防寒具の間の隙間を埋めてしまうとベタッとした印象になってしまうので、シワや重ねたときの空間をできるだけ残しつつ造形しています。

——杉元のマフラーのなびかせ方のコツは?

さと:風が吹いている感じが大好きで普段から色々はためかせてしまうことが多いのですが、今回はいただいたデザイン画に合わせてなびかせています。デザイン画の後ろ側の見えないところは、風の吹く方向性を考えて造形しました。

——立体化された際に一番苦労した部分を教えてください。

さと:やはり顔ですね。最初はなかなか似せられなくて何度もやり直しました。いつも「原画のイメージを忠実に立体に再現したい」と思うのですが、今回は本当に難しくて大変でした。

——顔というのは輪郭ですか?

さと:輪郭と、目鼻の配置ですね。ほんの少しでもズレると違う顔になってしまう。アドバイスをいただいたり、何度も指摘していただきました。

——プライム1スタジオといえば「美しい筋肉」のイメージがあるのですが、プライム1ならではのフィギュア造形のゴールはありますか?また、制作時に一番大事にされていることがありましたら教えてください。

プライム1スタジオ:今回は、いかにして服の上からでも筋肉を感じ取れる造形にできるかを目指しましたので、さと様にオファーさせていただきました。特に肌の露出の少ない男性造形の場合、素体の段階からのチェックを大事にしているのですが、今回も裸の素体から入念にチェックさせていただき、さと様にはその段階からゴールを念頭に置いていただいていたので、非常にスムーズなやり取りが出来たかなと思います。

——軍服の下の筋肉はどうなっているのでしょうか?

さと:全部作りました…好きなので(笑)。

——監修はいかがでしたか?

さと:結構厳しかったですね…(笑)。顔は細かい修正指示をいただいたので、プライム1スタジオさんに手伝っていただいたりアドバイスをいただいて直しました。修正は顔がメインで、あとは装備品です。いただいた資料と違うところがあると、資料に合わせて直しました。こちらも何度もやりとりして、修正をしました。

——完成までのワークフローを教えてください。

さと:最初に服を着ていないポーズの状態を作って一度確認に出し、OKをいただいたら服の土台を作ってボリュームを確認。OKが出たら最後を詰めて、と、少し進むごとに確認出し・作り込んでいくという流れです。

——制作に使用したツール、ソフトと3Dプリンタを教えてください。

さと:全てZBrushで制作しました。3DプリンタはELEGOO Saturnを持っていてたまに仮出力とかに使用しています。

——さとさんから見た杉元・尾形の印象を教えてください。

さと:杉元・尾形だけでなく、ゴールデンカムイが好きすぎて、何から言ったらいいかわからないんですが(笑)。とにかく面白くて楽しみに拝見していました。そんな時に「ゴールデンカムイの制作の仕事があるんですけど」って言っていただいて、「やります!」とすごい食い気味でお返事させていただきました。ふたりの生き様もずっとワクワクドキドキしながら追いかけていて、言葉で上手く言えないんですが、とにかく大好きです!!

——好きなシーンはありますか?

さと:鯉登少尉が樺太に行った時に、部下がやられて激高するシーンが好きです。

——ファンの皆さまに一言お願いします!

さと:何度もやりなおしを繰り返し、できる限りのできるところを全部詰め込みました。ぜひお手にとって、「オソマ」のフタが開いたり、細かい部分が動いたりするところまで見ていただけたら嬉しいなと思います!

プライム1スタジオ:ゴールデンカムイはとても人気な作品ですので、ファンの方々も老若男女幅広くいらっしゃると思います。今回の杉元、尾形からPRISMA WINGを知っていただき、さらにフィギュアファンになってもらえればとても嬉しいです!

 

 

商品情報

 PRISMA WING ゴールデンカムイ 杉元佐一 完成フィギュア

1/7 スケールフィギュア

【価格】37,290円(税込)
【発売予定】2023年10月頃
【製品仕様】・特製ベース
      ・ボーナス特典:描き下ろしイラスト使用アクリルブロック
【素材】PVC・ABS等
【サイズ】全高:約20㎝
【原型】さと
【販売元】株式会社プライム1スタジオ

 

 PRISMA WING ゴールデンカムイ 尾形百之助 完成品フィギュア

1/7 スケールフィギュア

【価格】37,390円(税込)
【発売予定】2024年1月頃
【製品仕様】・専用台座が付属
      ・ボーナス特典:アクリルブロック
【素材】PVC・ABS等
【サイズ】全高:約22㎝
【原型】さと
【販売元】株式会社プライム1スタジオ

※写真は製品サンプルです。実際の商品とは異なる場合があります。
※ご使用のモニターにより実際の色と違って見える場合があります。

 

 

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

 

 

Profile

さと
神奈川県出身。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、漫画家デビュー。
漫画を描きながら、2011年放送のアニメ「TIGER&BUNNY」がきっかけで初めてフィギュアやワンダーフェスティバルを知り、2012年に東海村原八氏の模型塾に通いフィギュア製作を習い始める。
2014年7月からワンダーフェスティバルにディーラー参加。
2015年から商業フィギュア製作を開始、現在もフリーランス原型師として活動中。

Twitter:@ha_c_ca