【原型師INTERVIEW】“不真面目さ”と“楽天性”を造形で表現『チェンソーマン』竹谷隆之氏制作インタビュー!

シリーズ累計発行部数3,300万部を突破し、「少年ジャンプ+」で連載中の大人気漫画『チェンソーマン』。さらにアニメ『チェンソーマン』では、劇場版『レゼ篇』の続編となる『チェンソーマン 刺客篇』の制作決定が発表されるなど、ファンにとって目が離せません。
その世界観を立体で表現した『【MAPPA × A・DIMENSION】チェンソーマン -Ver. TAKAYUKI TAKEYA- 1/6スケールフィギュア』が登場!原型制作は竹谷隆之氏。竹谷氏ならではのチェンソーマンの空気感と圧倒的な存在感が詰まった一作となっています。今回は、その制作の裏側について竹谷氏にお話を伺いました。
INTERVIEW
——ご依頼を受けられた際の心境を教えてください。
当初原作の漫画を読んでいなかったので、漫画をいただいて当時出ている巻数まで読ませていただいたのですが……本当にすごいなと。藤本タツキ先生ってほかの漫画も描かれていますけど、素晴らしい方ですよね。この歳になると感情移入はしなくなるんですけど、今回はちゃんと感情移入できて、「こういうノリって新しいんだな」と思いながら楽しませていただきました。

原型制作 / 竹谷隆之
原型制作協力 / 谷口順一・磨田圭二朗・芹川潤也
——ポーズは何案くらいあったのでしょうか?
2〜3案くらいだったと思います。とにかく描き進めていきました。

初期デザイン案

本作のポーズ案
——サムライソードについて。
サムライソードも原作の倒し方とは違うのですが、サムライソードは首を切ったり、チェンソーを手の甲に刺したり、踏んづけて動きを封じたり、標識を刺したり……そういった表現にしました。

——最初からサムライソードを入れるつもりだった?
そうですね。デザインも面白い作品なので、相手役としてもこのキャラがいいかな、と。最初に登場するサムライソードを選びました。
——デコマスは塗られたのでしょうか?
今回はデコマス(彩色見本)は自分で塗っていないのですが、原型の作業中に色配置のバランスを見たくて、赤い部分だけつい原型に塗ってみたりしています。

デコマス
——使用された材料を教えてください。
服のシワとかはオーブン粘土や、エポキシパテ。チェンソーの刃はデジタルで磨田圭二郎さんに作ってもらって、色を塗りました。体は、スカルピーで制作して、芯部分はエポパテを使い上にオーブン粘土で重ねて作ったりしました。

チェンソーの刃(制作:磨田圭二郎)
——顔はどの段階で制作されたのでしょうか?
体の基本構造を制作しながらです。ポーズをどう成立させるかが悩みどころでした。作中では、叫んだり、走ったり跳ねたりしている動作が多いキャラクターなので、当初は今のポーズ案とは異なる案を試行錯誤しながら作っていきました。その時点では「倒したあとに、はぁ……と一息つく彫刻」のような雰囲気にしようとしましたが、サムライソードを踏んづけたり、ブッ刺したりして押さえつけるポーズにしました。

初期のポーズ案

本作のポーズ案
——チェンソーマンの頭部について。
エポパテを削って作りました。この時点では歯は仮どめだったかもしれませんが、何かを削った気がします。ステンレス版に貼り付けてバランスやフォルムを見ながら慎重に半分ずつ作っていきました。

——サムライソードの頭部について。
踏まれているので顎の位置をずらしたり、細かい調整をいろいろ行いました。

——標識について。
なるべく、殺し合いとかけ離れた標識にしたかったので、「通学路」にしました。「学校近くでこんなことをしてんのかよ」という雰囲気が欲しかったので。
実は、よく見るとチェンソーマンが標識をサムライソードの背中にブッ刺して地面まで貫いて動きを封じているという構図にもなっています。

——血の飛び方は指示をされたのでしょうか?
特にしていません。色見本を制作していないので、いつの間にかこうなっていましたが、作品的にはこの血しぶきの感じがいいですね。
——制作するうえで意識されたことはありますか?
「ちゃんとそれらしく作る」ことですね。服のシワなどが実在っぽくできたらいいなと思って制作しました。あとは、このキャラクターらしさがちゃんと表現できているといいなと思いながら作りました。

——次に作るならどのキャラクターを制作してみたいですか?
魅力的なキャラは本当にたくさんいますよね。
——最後に購入を検討されている方やファンの皆様に一言お願いいたします。
そのキャラクター性が形にできているか心配ではありますが……それに高額すぎて「ぜひ買ってください!」というのはおこがましくて言いにくい(笑)、でもお迎えいただけたら大変光栄です。
製品情報
【MAPPA × A・DIMENSION】チェンソーマン -Ver. TAKAYUKI TAKEYA- 1/6スケールフィギュア
[予約期間] 2025年10月17日(金)10:00 ~2026年1月9日(金)23:59
[発売日] 2026年12月(予定)
[価格] 67,000円(税別)/73,700円(税込)
[サイズ] 全高:約375mm (台座含む)
[原型制作] 竹谷隆之
[彩色制作] ひのきや
[発売元] 株式会社MAPPA
[販売元] 株式会社A・DIMENSION
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
Profile
竹谷隆之
造形家。1963年12月10日生まれ、北海道出身。阿佐ヶ谷美術専門学校卒業。映像、ゲーム、トイ関連でキャラクターデザイン、アレンジ、造形を手掛ける。主な出版物は、『漁師の角度・完全増補改訂版』(講談社)、『造形のためのデザインとアレンジ 竹谷隆之精密デザイン画集』(グラフィック社)、『ROIDMUDE 竹谷隆之仮面ライダードライブ デザインワークス』(ホビージャパン)、『竹谷隆之 畏怖の造形』(玄光社)、『腐海創造 ー写真で見る造形プロセスー』(徳間書店)など。