【アメコミトイ小話vol.7】MAFEX、ジャック・カービー……それぞれの描く『2001: a space odyssey』

(文・写真:あきさか)

今回ご紹介したいのはMAFEXから出た『2001: a space odyssey』のSPACE SUITになります。

アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリック監督によるSF映画の超名作からの立体化となるこのフィギュア。今回ご紹介するデビッド・ボーマン船長が着用していた物のほかに数種類展開されています。

パッケージも劇中でも印象的だった白をベースにしたシンプルなデザイン。背景に船内の写真が印刷されています。

ネットの商品写真だと少し安っぽさを感じたのですが、実際に手に取ってみると宇宙服のディテールによって安っぽさは感じられませんでした。むしろ細かいところまで行き届いた丁寧さによって高級感すら感じられます。

劇中と見比べたのですが、機械部分はほぼほぼ再現されていますね。そして今このフィギュアを手に取ってもそのデザインの古臭さは感じません。

しかし全身写真を見てお気づきの方もいると思いますがこのSPACE SUITシリーズの最大の残念ポイントはヘルメットが黒塗りにされてしまっているところ。劇中ではしっかりと中の顔が見えるものだったのですが、残念ながらこのフィギュアでは再現されておりません。

可動フィギュアですが、宇宙服なので胴体部の可動は少ないです。また、これは個体差によるものなのかもしれませんが、肩の関節がとにかく緩い!ポージングをつけるのに一苦労しますが、立たせておいてるだけでかっこいいので満足です。
 

今回はアメコミのキング、ジャック・カービーによる『2001: A SPACE ODYSSEY』のコミカライズコミックをご紹介させてください。


通常のリーフに比べてサイズが大きいです。

ジャック・カービーはもうご存じの方も多いかもしれませんが、マーベルではキャプテン・アメリカ等の多くのヒーローを、DCコミックスではニューゴッズやダークサイドを生み出した伝説のクリエーターです。

力強いキャラクターのフォルムや絵の圧縮によって生み出されるパワーが特徴であるジャック・カービーが繊細に作られた『2001: a space odyssey』をどう描くのか。この本の存在を知ってから気になってしょうがなかったのですが、ついに手に入れて読んで驚きました。

ジャック・カービー色に染まっても『2001: a space odyssey』は成立しているのです。

本書、ストーリーはコミカライズなのでしっかり映画通りなのですが、絵のパワーに圧倒されてるうちに読み終わってしまいます。映画も画こそは繊細に作られていますが、その圧倒的なパワーに140分間あっという間に終わります。なので方向は違えどしっかりと落とし込めているのです。

ちなみにこのコミック、これから10号ほどジャック・カービーによってオリジナルストーリーで進行します。なかなか手に入れる機会が難しいものですが、もし見かけたら是非読んでその絵の強さに圧倒してほしいです。

というか、今回はこのコミックを紹介したいがためのフィギュアレビューでした。