スカルプターズ・ラボ

『現実を生きるリカちゃんねる』制作者(中の人)に聞いたメイキング裏事情!

今、20代女子を中心にYouTubeやインスタで話題沸騰の「現実を生きるリカちゃん」!

憧れのキレイなお姉さん像であるリカちゃんに、ズボラでリアリティある一面をプラスした親しみやすさで共感を呼んでいる。リカちゃん人形を使った動画では、圧倒的にディテールにこだわった家具や小物に囲まれたお部屋、衣装や寝癖まで再現したヘアスタイルも必見。酔っ払ったり寝転ぶポーズも、本当に動いているんじゃないの?と思うぐらい生き生きとしている。

リカちゃんに自身を投影しながら制作しているという「現実を生きるリカちゃん(中の人)」さんにメイキングの裏事情を聞いてみた!

INTERVIEW

——『現実を生きるリカちゃんねる』を始めたきっかけは?

リカちゃんのことは子供の時からすごい好きで、幼稚園から小学校中学年頃まではホントによく遊んでいました。大人になってもその思いはずっと漠然とあって、就活でタカラトミーさんを受けたりもしたんですけど、落ちちゃって……()。 大人になってからはリカちゃんとはちょっと離れていましたが、去年コロナで在宅勤務になって時間ができてヒマだなぁ、何か好きなことをやりたいなぁって思った時に、リカちゃんで何かしたいなって思って。

ちょっと前からインスタで「リカ活」がその界隈では盛んに行なわれていて、私も好きでよく見ていたんですね。それはちょっと大人っぽいリカちゃんに大人なお洋服を着せてモデルさんみたいに写真を撮るっていうので。私はこんなにお洒落にできる自信ないなぁ、自分がやるとしたらもっとネタっぽい感じで「ヌケてるリカちゃん」とか「ズボラなリカちゃん」かなぁ、と()

空間を作るっていうのもやってみたかったし、YouTubeも好きで動画をやってみたいなぁと独学で勉強し始めていたので、リカちゃんを動かしてみたいと思い、まずはYouTubeからスタートしました。インスタはその半年後くらいからですね。

見てくださっているのは8割が女性で、私と同世代。25歳~35歳の層が一番多いですけど、割とどの年齢層でもまんべんなく見てもらってます。

 

——リカちゃん愛のこだわりポイントを教えて!

子供の頃からずっとそうですけど、リカちゃんのイメージは完璧な存在で、「憧れのキレイなお姉さん」。

私は「ヌケてるリカちゃん」っていうのを映し出していますけど、ヌケてる面で親しみやすさを出しつつ、でもキレイなお洋服着たらバッチリキマる大人の女性っていう「憧れのお姉さん」の一要素もちゃんとありつつ、みたいな気持ちでやっています。動画を作る時にも、昔からある「憧れのお姉さん」っていう要素は常に意識していますね。

 

——思わず共感しちゃう生活感のリアリティ! 撮影用のセットや小物、洋服はどうしてるの?制作の裏側やこだわりを教えて!

「自分を投影している」っていうコンセプトなので、自分の周りを見渡して再現したいなって。

実際の自分の部屋も洋服とかいっぱいで散らかっていて、ちょっとお見せできないです()

セットや小物は、買ったものと作ったものが混在しています。

小物は、㈱リーメントさんの「ぷちサンプルシリーズ」や100均で買ったり。作っているものもありますが、全部作ると大変なので代替できるものは代替して、ちょうどいいものが無い時とかこだわりのあるものは作ってます。

例えば窓のある壁は、100均の発泡スチロールの板に100均の額縁を利用して作った窓枠をつけて作ったり、ベッドやおフトンも作りました。

 

『現実を生きるリカちゃんねる』セット。

 

ミニチュア家具や小物と手作り品を組み合わせて制作。

 

発泡スチロールの壁にラッカースプレーで塗装した窓枠をはめ込み、完成!

 

お洋服は、メルカリやminneで売っている手作りのお洋服を買うのが半分くらい、あと半分は手縫い。その時は縫い目が見えないように気をつけてます。最近は布用接着剤を使ってパッパッと作ったりとか。

 

端切れから次回作の衣装を手作り。

 エンブレムや金ボタン、細部までこだわり抜いた衣装に脱帽。

 

お洋服のこだわりは、「今っぽさ」。流行りのお洋服とか、今、世間の人が着ているようなお洋服を再現したいなっていうのはありますね。

小物はミニチュアのでもリカちゃんには大き過ぎることとかもあるので、サイズ感に気をつけています。納得できるものが無いときは100均とかアイテムで作ります。作るのは好きなので、それも楽しみながらやってます。

 

——話の内容や構成はどのように考えてるの? 構成台本や絵コンテを作ったりするの?

日々思っていることや、あった出来事を動画のネタにしてます。基本的に全部自分自身の実際のエピソードですね。

YouTube最新動画【ピクトグラム】の絵コンテ。必要なシーンを書き出す。

 

最初の頃は頭の中にあるイメージだけで撮っていたんですけど、最近はこういう写真を撮ろう、というのをシーンごとに書き出して、絵コンテみたいなものを作るようになりました。

ほんとにざっくりで絵コンテってほどのものじゃないですけど、シーンだけは書き出してます。自己流で汚い殴り書きみたいな感じで、全然ちゃんとしてないですけど。

リカちゃんのセリフはこの時点では特に決めてなくて、編集する時にその場でつけていく感じです。

 

——実際の撮影はどんなふうにしてるの?

自宅の部屋のうち1畳がリカちゃんの撮影スペースです。机の上にセットを作って、撮影と編集も全部一人でやっています。

撮影はiPhone12。パソコンに送って、Adobeのプレミアプロで編集しています。

 

——1本の動画を撮るのに制作時間は?

アイデアを練るのにざっくり1~2日。小物制作などの下準備が結構大変で、これは10時間以上はかかっちゃいますね。実際の撮影に10時間、編集作業に7時間くらい。

普段は仕事があるので、休みの日とあとは仕事の合間に考えたりとか。帰宅してから小物作りに夜中2徹してとか、そんな感じで数日かけて1本を完成させる感じです。

素人でカメラアングルとかは詳しくないので、なんとなくこんな感じかな、で撮ってみて、撮れたものを見てそれでよければそのまま。ちょっと違うなと思えば少し変えてとか、そんな感じですね。

撮影カット数はモノによるのですが、例えば『リカちゃんのナイトルーティン』だと500枚撮影してその内の300枚を使用しました。そんなに細かいコマ撮りでもないので1秒当たりのカット数は2~3枚くらいですね。

インスタ用の写真は納得の1枚を撮るために、数十枚から多い時は120枚ぐらい撮影してます。

 

——リカちゃんがリアルに見えるように撮影するコツやこだわりは?

リカちゃん本体の体はあんまり曲がらないので、オビツやピュアニーモの可動ボディに変えて撮影しています。そうすると結構いろんな角度に曲げられるので、グデグデした姿勢とかダラダラした動きとかも結構なんでもリアルな感じにできますね()

撮影に関しては素人なのでコツとかはないんですけど、こだわっているのはリカちゃんの目線。それは一番気をつけています。鏡を見ている時はちゃんと鏡に目線が合うよう、書いている時は視線が手元にいくよう、人と話している時は相手の目を見るようにとか。

 

——「キレイなリカちゃん」と「ズボラなリカちゃん」、リカちゃんは撮影用に何体もいるの?

リカちゃんはあの子1人だけです。ズボラなボサボサヘアのリカちゃんと、髪の毛がきちんとセットされたキレイ目リカちゃんがいるわけではないです()

リカちゃんの髪の毛がボサボサになっていたり、ゴムで結わえたり、ドライヤーでなびかせたりしてますが、大丈夫です()。しばったまま丸一日とか置いちゃうとクセがついちゃいますけど、すぐにほどいたりしてクシでとかしてあげれば、ズボラなリカちゃんから元通りキレイなリカちゃんになります。

『リカちゃんのナイトルーティン』でドライヤーで乾かしているシーンの髪の毛はどうやってるのとよく聞かれるんですけど、リカちゃんの髪の毛はボリュームがあるので手で持ち上げるとしばらくはそのままの状態でキープされるんです。だから他のシーンと同じように髪の毛や手を少しずつ動かした写真を何枚も撮ってつなげていくと、ドライヤーの風で髪の毛なびいているように見えます。

これも風圧でボサボサに乱れている感じになってますが、クシでとかしてあげればキレイになおります。

「リカちゃんのナイトルーティン」

 

——一番楽しい作業は? 逆に、実際に制作する中で大変だったことは?

ホント全部楽しいんですけど、特に小物作りと撮影が楽しいですね。

小物作りは完成する時が一番楽しいです。写真を撮っている時は準備したものが1枚の画角に収まると「コレコレ!」って達成感があります。

小物作りは時間がかかって大変だけど、楽しい作業。今っぽさを意識したトレンドのファッションアイテム。

 

大変なのは準備段階の背景作りかなぁ。普段は家のシーンが多いんですけど、例えば会社のシーンは一から揃えなきゃならないので、ネットで探したり足りないものを作ったりするのが大変だったりとか。

あとは費用面ですかね。会社のシーンは100均で割と揃えられたので1万円くらいで収まりましたけど、『LOOK BOOK』の時はお洋服が結構高くて、2万円くらいかかっちゃったかな。普通のヒトのお洋服とか普通に買えちゃう値段なので。1着2,000円~3,000円くらいは全然するので、予算面もあって全部は買えないので何着かは自分で作ってるっていうのもあります。

 

YouTubeLOOKBOOK】の絵コンテ。

 

リカちゃんの【LOOKBOOK

——一番のお気に入り動画は?

結構初期の作品になるんですけど、リカちゃんの謝罪動画が個人的には気に入ってます。

当時、謝罪動画が急上昇に5連続ぐらいであがっていたんですね。その当時4人しか登録者がいなかったんですけど、何か間違いが起こってこのリカちゃんのサムネイルが他の謝罪動画と一緒に急上昇の一覧に並んだらめっちゃオモロイなって()。それで無理やり謝罪内容を作って投稿してみました()

YouTubeあるある」と「リカちゃん」のアンマッチ感みたいなものがスゴイ好きで、気に入ってます。

リカちゃんの謝罪動画

——今後の展望は?

家とか会社のシーンくらいしかないので、いろんな場面でのリカちゃんを動画としても共有していきたいなっていうのは今考えています。

あと動画を投稿していると、「どうやっているのか気になる」という質問が結構あるので、素人ながらですがちょっとした裏側を見せるYouTubeやインスタを、別のアカウントでちょっとずつ見せていくのもいいかなぁって思ったりしてます。

Profile

「現実を生きるリカちゃん(中の人)」

20代後半会社員。幼少期から手芸や工作が趣味で、写真を使った絵本を作るなど好きなことを形にするのに喜びを感じる。子供時代からリカちゃん人形で遊び、就活でタカラトミーを受けるも不採用。YouTube好きが高じて動画編集について独学で学び、2020年よりYouTube『現実を生きるリカちゃんねる』を開始。

STAFF

企画・映像制作:「現実を生きるリカちゃん(中の人)」