第1回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ 受賞者&ピックアップ作品発表!

 

2024年7月28日(日)〜2024年9月30日(月)まで開催された、第1回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペの受賞作品がついに決定!
本コンペへのたくさんのご応募誠にありがとうございました!厳正なる選考の結果、大賞&各審査員賞を発表いたします。また、応募作品の中から審査員が気になった作品をピックアップして紹介します!
 

さらに、最新刊『スカルプターズ・ラボ02』では、受賞者&ピップアップ作品の掲載のほか、ご応募いただきました全作品を掲載しておりますのでぜひご一読ください。

 

 

【大賞作品】明了个空空空「The color of space」

 
 

【サイズ】W15×D25×H24.5cm
【使用ソフト】ZBrushMarvelousDesignerSubstance3DPainterDAZStudio
【素材】レジン、ガラス、LEDライト
【Photo】小松陽祐

【作品解説】星空探索をテーマにした作品を作りたいと考え、望遠鏡で宇宙を観察する少女を通して表現することにしました。望遠鏡自体は万華鏡の構造で、夜になると鏡面が生み出す鮮やかな色が壁に投影され、The color of space」というタイトルに符号します。主役を女性にした理由は、人類の歴史において、天文学に貢献した記録は男性によるものが大半ですが、中には少数ながらも優れた女性学者が存在し、彼女たちもまた歴史の進歩を促進する重要な存在だったことを忘れないでほしいと願っているからです。作品の世界観:個人の努力は歴史の中でひとつの注釈に過ぎないかもしれませんが、無数の人々の知恵が集まることで驚異的な力が生まれます。人類の未来は星々と大海の中にあります!

竹谷隆之コメント

圧倒的な完成度!あまりの美しさに僕は迂闊にも、立体物ではなくてCGだと思い込んだほどでした!独自のワールド観、全体を貫く上品なセンス!インクと羽根ペンを配する細部演出にも脱帽!

大山竜コメント

オリジナル作品の可能性を感じます。人物、世界観、物語等を造形、塗装、撮影、すべてを駆使し完璧な形で表現しています。大作映画のような満足感を覚えました。

塚田貴士コメント

大賞おめでとうございます。美しい作品ですね。仕上げ、ディテール、構図、どこを見ても素晴らしいです。落ち着いた雰囲気でありながら見応えのある作品になっています。

大畠雅人コメント

造形、彩色、コンセプト、撮影、すべてのレベルが高いと思います!顔や髪の毛、服のシワに少しデフォルメを入れることでファンタジーの世界観に没入しやすいようなバランスになっています!

SK本舗コメント

素晴らしい世界観設定と造形美に圧倒されました。凝ったライトギミックが魅力を引き立て、実物のフィギュアがぜひ欲しいと思わせられた作品です。

スカルプターズ・ラボ編集部コメント

編集部全員の意見が一致し選出しました。造形力はもちろん、世界観の構築や細部までこだわりぬいた素材、そしてどの角度から撮影しても物語になる絵作りが素晴らしいです。

 

 

【竹谷隆之賞】けれんみ「くだり神」

【サイズ】W20×D20×H32cm
【使用ソフト】ZBrush

【作品解説】この作品はネパールの「クマリ」から着想を得て製作しました。クマリの文化を日本に持ち帰りその土地の風土に合わせて変化し今のような姿になった、というストーリーです。キャラクターデザインはリアリティのある怖い神様にしたかったのでクリーチャー要素はなるべく入れ過ぎないようにしています。

竹谷隆之コメント

ネパールから日本に伝えられたクマリ(処女神)信仰がその土地の風土に合わせて変質したという設定だそうですが、こんな恐ろしげに変化させてしまうその土地の風土がコワいです!畏怖を煮凝らせたようなデザインセンス、そのまま突き進んでください!

 

【大山竜賞】R1 Chung「姬兜虫」

【サイズ】W21×D24×H28cm
【使用ソフト】ZBrush
【原画】
Howard Hsu

【作品解説】こちらは、私と友人のHoward Hsuさんの共同で制作した作品です。原画はHoward Hsuさんがデザインし、私はその原型制作を担当しました。孵化後、姫兜虫たちは前半生を地中で修行に専念し、最後に地上へと現れる虫族の戦士です。彼らは硬くて重厚な鎧を身にまとい、戦闘においては無敵を誇りますが、その鎧の重さが飛行能力を少し制限しており、通常は短距離の飛行しかできません。普段は厳しいレスリング訓練で自身の技を磨き、戦場では容赦なく敵を投げ飛ばします。 

大山竜コメント

個性的でありながら説得力もある素晴らしいデザイン。それを的確に捉えた造形。ポーズや台座もフィギュアとしてミニマムながらも世界観やキャラクター性を見事に表現できていて素晴らしいです。

 

 

【塚田貴士賞】Boruti「organo」

【サイズ】W10×D5×H16.5cm
【使用ソフト】ZBrush

【作品解説】「organo」という名前は楽器のパイプオルガン、哲学的に「道具」や「手段」を意味するオルガノンからとっています。口元の造形はオルガンのパイプのイメージです。彼女は未来の生命体や異星文明で、知識や理解を深めるための手段としての役割を果たす「器官」や「道具」として存在しているのかもしれません。「儀式的」あるいは「崇高な存在」のような雰囲気を意識して、異質で美しいビジュアルを目指しました。

塚田貴士コメント

共感する部分が多いという観点で選ばせていただきました。人体を基にした有機的なラインと無機的なデザインの融合が好きです。このキャラの全身像はどんな形かわかりませんが「足りない部分がある」モノに惹かれます。

 

 

 

【大畠雅人賞】芽々木 「砂糖菓子の檻」

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】ZBrush、Marmoset Toolbag

【作品解説】「砂糖菓子の檻」は、現実と夢のはざまに存在するかのような一人の少女を描いた作品です。ベッドを模した台座の上に、風に翻る白い衣服と揺れる髪をまとった少女が佇んでいます。彼女の表情には、儚さと哀愁が漂い、どこか遠い場所を見つめています。足元には、散らばった色とりどりの金平糖があり、その散らばる様子が儚さと哀しさを一層引き立てています。瓶からこぼれたその一粒一粒は、失われた無邪気さや、守られるはずだった世界のかけらを象徴しているかのように、少女の周りに静かに広がっています。ベッドの上には、親しい存在であるはずのウサギのぬいぐるみが置かれ、守られるべき居場所でありながら、どこか不安定な空気感が漂っています。この作品は、外部の世界がどんなに甘美で優しく見えても、内面に秘めた脆弱さや孤独は、誰にも見えない檻の中に閉じ込められていることを暗示しています。彼女が立つベッドは、安全な場所でありながらも、その柵がまるで彼女を拘束し、風に煽られる姿は、自由を求めながらも心がどこか縛られている姿を象徴しています。少女の虚ろな表情は、外界との繋がりの中で心が静かに揺れ動く瞬間を捉えており、観る者にその儚さと切なさを感じさせます。作品全体に漂う甘美さは、彼女が守られるべき存在でありながらも、その守りがかえって脆さを際立たせているように見えるのです。タイトル「砂糖菓子の檻」は、その脆く壊れやすい守りと、甘く包まれた檻のイメージを象徴しています。

大畠雅人コメント

彼女の世界観は大好きですね。安全な空間に不穏な風を吹かせ、未来や過去、予感や決意を託した詩的な表現が魅力的です。色味やバランスも絶妙で、情報量の多い造形のぶん、色味を抑えても見ごたえのあるバランスになっています。

 

 

【SK本舗賞】キコリ「祈り」

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】Nomad Sculpt
 
【作品解説】「私は、ただ、あなたと歩んでいきたかった」

翼を持っているがために大切な人と過ごせなくなった女性の悲哀と、女性の悲哀を打ち消すほどの存在感を放ち続ける翼、という対比をコンセプトに制作しました。制作し始めた当初は「翼を持っているがために大切な人と過ごせなくなった女性の悲哀」のみをコンセプトにしていました。その人の能力が魅力的であるほど、周囲の期待がその人自身の望みをかき消してしまうこと、それが積み重なって、いつか「いっそ何も持っていなければ良かった」とさえ考えてしまうこと、その悲哀に焦点を当てていました。ただ、翼のディテールを延々と彫っているうちに、「どんな状況であっても、その人自身の能力や魅力が素晴らしいものであることに変わりないはずだ」と思うようになりました。そこから、「翼を持っているが為の女性の悲哀」という当初のコンセプトに対して、「悲哀を打ち消すほどの存在感を放ち続ける翼」という対比のコンセプトが成立するように作品を詰めていきました。ニ軸のコンセプトを表現する為に、翼はとにかくディテールを作り込むとで存在感を持たせ、女性は服のシワや髪の流れなどで悲哀が感じられるような造形とし、翼と女性の対比を際立たせました。

SK本舗コメント

翼に込められた圧倒的な情報量と細部へのこだわりに感動しました。この素晴らしい翼をぜひハイクオリティな3Dプリンタで出力し、その魅力を最大限に引き出していただきたいです。

 

 

【スカルプターズ・ラボ賞】九十九「Catherine18C」

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】ZBrush、Blender
 
【作品解説】ロボットの頭部の残骸の上で不敵な笑みを浮かべる女の子を制作しました。イメージとしては夕焼けの当たる17時くらいのイメージです。今まで何があったのか、これからどうなるのかストーリーを感じて見ていただけたら幸いです。加えて、メカの造形、洋服、髪色など各部分と全体の配色が調和するようにしています。

スカルプターズ・ラボ編集部コメント

華があります……まず女の子の表情、特に角度によって閉じているようにも横目で見ているようにも見える瞳が魅力的で、引いていくとメカの造形や色合い、巨大感がこの世界を想像させます。ファッションの作り込みも素敵です。

 

 

ピックアップ作品

 

Emonate「玉蟬」

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】ZBrush

【作品解説】中国から発掘されたヴァントゥーの玉蝉の工芸品にインスパイアされ、擬人化を用いることで、彼女の生命力をより現代的なものにしている。

竹谷隆之コメント

なぜか気になってしょうがない!曲線デザインやたたずまいが大好物です!

 

 

イトウモエ「水兵」

【サイズ】W18.6×D18.6×H26cm
【使用ソフト】ZBrush、Blender
【素材】レジン

【作品解説】遠い夏、或いは誰かの記憶の片隅に、微かに、しかし確かに刻まれた水兵の姿を形にしました。色彩には時の経過に風化した古びた写真のような、褪せたセピアの面影を宿し、曖昧にして淡い記憶の一端を掬い取ろうと試みています。この作品には、過ぎ去りし時の儚さ、そして今もなお沈黙のうちに続く物語を込めています。鑑賞者の心が遠い誰かの記憶と静かに交わる瞬間を夢見て、過去と現在が溶け合う一瞬を想いながら仕上げました。

竹谷隆之コメント

静かな構成でしっかりと作り込み、男の表情・存在感を際立たせている!オトナです!

 

 

江口綴「無垢」

【サイズ】H70cm
【使用ソフト】ZBrush
【素材】レジン、グラスアイ、人工毛、真鍮

【作品解説】私の作品において、人形は「無垢なる虚無」を体現する存在です。人形には魂がないからこそ、人間には踏み入れられない領域に存在していると考えています。その「魂の欠如」を単なる不足ではなく、むしろ人形の魅力や美しさ、そして観る者に問いを投げかける要素として重要視しています。人間であるから心と向き合えて人形であるからそれを包んでくれると信じています。

今回提出させていただくにあたって、フィギュアと人形の違いや差異について考えておりました。結論に至った考えを述べさせていただくと、フィギュアは、キャラクター造形において物語性や個別の感情を込めることが多い一方で、私の思う人形はその無限の解釈を許す余白が存在します。人形は何も語らないがゆえに、観る者が自由に何かを読み取ることができるのではないかと考えました。ストーリーのフィギュアとナラティブの人形なのではと結論づけ、スカルプターズ・ラボ様や関係者の皆様ともその内容についてお話ししてみたいという夢もできました。

また、今回の作品にはフィギュアのストーリー性と人形のナラティブな部分がどれだけ融合できるかを試すため、神話的な要素も取り入れました。人形が持つ金の枝は、冥界への供物を象徴し、古代神話で生きる者が冥界を渡るために必要とされる神聖なアイテムです。この枝を通じて「純粋な存在の状態」へ至る象徴的な意味を与えています。冥界が生と死の境界線であるように、フィギュアと人形の間にある境界も曖昧にしフィギュアの明確なストーリー性と、人形の曖昧なナラティブ性を結びつける象徴としても表現しました。生命から解放された「無垢な存在」としての人形が、純粋な存在そのものの美しさを体現できると信じています。

大山竜コメント

人の形の美しさを改めて感じられる、惹かれる作品です。

 

 

呂旻恩「GhostRaptor」

【サイズ】W15×D25×H14cm
【素材】スーパースカルピー

【作品解説】ゴースト・ラプターは沼地に群れで住む肉食動物です。霧に包まれた沼に足を踏み入れたとたん、物陰からゴースト・ラプターの視線を感じるが、決して見つけることはできない!

大山竜コメント

ウロコ、指先造形が素晴らしい。粘土の手触りも感じられました。

 

 

MOLE(モール)「HIKER GIRL」

【サイズ】W13×D12×H21cm
【使用ソフト】ZBrush、Blender
【素材】SK水洗いレジン

【作品解説】大きなリュックを背負っている女の子、温厚な季節にどこか片田舎の道を歩いている。 足のマークはゼッケンのような感じで、ハイキング大会に参加している設定でつけました。 屈んで髪の毛が垂れているポーズを作ろうと思い、ポーズ優先で好きな要素を詰めてデザインを固めていきました。リュックや時計などの小物はBlenderでモデリングして、全体の作業はZBrushで行っています。アニメデフォルメの頭身は初めてだったので、頭の大きさや手足の長さなどなるべく違和感がないような形にするのが難しかったです。 データではそこまで感じなかった物も3Dプリントすると違和感が出てしまい、 今回もリュックを小さくしたり、手を大きくしたりとプリントしてから データを修正してプリントし直しました。プリントしてからはいつもならウレタンキャストに置き換えますが今回は時間が無かったのでそのまま塗装しています。 型抜きできそうにない形もプリントなら出せるので分割作業の短縮にもなったと思います。

塚田貴士コメント

めちゃくちゃいいですね。構図、小物の作りこみが目を引きます。

 

 

JavierAliaga「Red Blood Demon」

【サイズ】W30×D48×H50cm
【使用ソフト】ZBrush
【素材】レジン、布、ロープ、木材、アクリル絵具

【作品解説】映画『ゴーストハンターズ』を見て、私たちはZBrushでこの「Red Blood Demon」をキャラクターデザインしました。80年代の古典的な映画にインスピレーションを得た続編やテレビ番組の悪役キャラクターのコンセプトとして考え、映画の宇宙的な雰囲気と要素を独自のデザインスタイルで表現しようとしました。そこで、UVレジンで印刷し、布地やロープなどのより多くの要素を使用して、この3Dモデルを作成することにしました。

塚田貴士コメント

小さいながらも確かな造形力。迫力のある作品で素晴らしいです。

 

 

湯田坂拓也「awe

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】ZBrushMAYA

【作品解説】「畏怖」をテーマにしたこのフィギュアは、少女と猫、そして異形の存在が可愛い×可愛い×違和感をかけた作品です。少女は猫を抱きしめ、その周囲には一見禍々しい雰囲気を漂わせつつも、まるで彼女と猫を守護しているかのような不思議な存在が佇んでいます。この存在のマントの内側からは臓物や粘液を連想させるものが垂れ下がり、異質でありながらも何かしらの神聖さを感じさせます。さらに、後頭部には光輪が輝いており、この存在がただの邪悪なものではなく、何らかの神に通じるものかもしれないという暗示が込められています。しかし、少女と猫にとって、その真実を知る術はありません。未知なるものに囲まれながらも、守られているかのような安らぎを感じさせる、ミステリアスな一瞬を切り取った作品です。

大畠雅人コメント

ご自身の世界観を持っていて将来が楽しみだと思いました!

 

 

Herbie赫比「蛸子」

【サイズ】W19.6×D28.1×H26.8cm
【素材】ABS

【作品解説】海に住む蛸子はよく岩礁の上で人間の生活を観察しています。

大畠雅人コメント

素晴らしいバランス感覚を持っています。量感のフェチと、空間のフェチ両方持っている方だと思います。

 

 

Kazuma Murata「虚怨」

【サイズ】3DCG
【使用ソフト】ZBrush、Photoshop、KeyShot

【作品解説】自分は、色々なモチーフを混ぜ込んで作品を制作するのが好きです。今回の作品は和の雰囲気と中華っぽい雰囲気、それと部分的にスチームパンクっぽさを感じさせる機械感を取り入れてみました。作品タイトルは【虚怨】です。【虚しさの中に怨念が混じった存在。哀しみと憎しみが入り混じってしまい心が鬼のように荒れ果てたイメージです。】キャラクターの重みだけでなく、全体的な重みも伝えるために色味や質感を鋼像のような金属っぽい雰囲気に落とし込む工夫もしてみました。

スカルプターズ・ラボ編集部コメント

圧巻の存在感。よく見ると模様や柄、質感までも作り込まれていて目が離せませんでした。

 

airmonster「変異」

【サイズ】W31×D38×H21cm
【素材】スーパースカルピー

【作品解説】世界が宇宙から来た未知な生命体に滅んだ世界観のなかで創作した原型です。この原型はその未知生物と人間がと融合してる時の形をイメージして作りました。半分異形で半分人のデザインが好きで、人間が怪物に成りかけの感じをテーマにして作りました。

スカルプターズ・ラボ編集部コメント

筋肉造形の迫力が素敵です。筋の陰影や破れたジーンズの作り込みも実在感があります。

 

 

 

 

 

第2回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ応募受付中!

テーマ

オリジナル作品

審査員

【大賞・各審査員賞】竹谷隆之さん大山竜さん石長櫻子/植物少女園さん塚田貴士さんタンノハジメさん大畠雅人さん、スカルプターズ・ラボ編集部
【SK本舗賞】SK本舗

応募締切

2025年4月21日(月)23:59締切

 

 

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