【原型師INTERVIEW】クールでかっこいい早川アキととびだす狐の悪魔、ミステリアスなマキマを完全再現!TVアニメ『チェンソーマン』早川アキ・マキマ 原型制作インタビュー!

大人気TVアニメ『チェンソーマン』より早川アキ・マキマが1/7スケールフィギュアになって登場!手がけたのは、(株)eStreamが展開するフィギュアブランド「SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE」。今回は担当フィギュアディレクター・ ShiKeMoKさん、原型制作・Design COCOさんに制作秘話を伺いました。

チェンソーマンパワーのインタビューも合わせてお楽しみください!

INTERVIEW フィギュアディレクターShiKeMoK・Design COCO

——アキ、マキマそれぞれなぜこのポーズをフィギュア化しようと思ったのですか。

ShiKeMoK:僕は『チェンソーマン』の魅力的なポイントは、キャラクターごとに悪魔と契約していて、何かしら特色があるところだと思っています。だからアキを立体化しようと思ったとき、ルックスの良さや狐の悪魔のボリューミーな感じ、ダイナミックさを一緒に表現したいと思いました。狐の悪魔がビルから出てくるシーンはアニメ放送前からよく使われていてインパクトが強かったので、アキと言えば狐のハンドサインと狐の悪魔かなと。また、マキマを立体化する意味を考えた時、キャラクターの魅力を出しつつフィギュア的にも見応えのあるものにしたかった。シチュエーション決定にはかなり時間をかけましたね。クールさとミステリアスさ、コートをひるがえす女性的な魅力や躍動感を出せるかなと思い、今のポーズに辿り着きました。

——マキマのウエストやお尻のサイズ感がとても色気があっていいですね。少しアレンジなどはされていますか?

ShiKeMoK:フィギュア化した時によりよく見えるくらいの範疇で微調整はDesign COCOさんと相談しながらやっているんですが、デフォルメさせたとかではないので、マキマというキャラクターのポテンシャルだと思います。

——アキの爪、指の角度、手の甲の筋、手首の締まりと骨感がとても綺麗ですが、どのくらい時間をかけましたか。

ShiKeMoK:手フェチの方へ向けてこだわった部分ではあります。アキを好きな人がどこに魅力を感じるんだろうと考えた時に、ハンドサインが象徴的なので手や指先だろうと考えていました。もともと当社がこだわりたいポイントとして手の表現があり、節感や筋感、手首の筋肉の感じはしっかり出してほしいと初期からDesign COCOさんにお願いしていたので、イメージに近い手を一発目からいただきました。すごくこだわりぬいた部分ですね。

——アキはなぜデフォルトを少し口を開けた表情、付け替えを大きく口を開けた表情にしたのでしょうか。

ShiKeMoK:アキの「コン」の言い方は何パターンかあって、通常顔は静かに「コン」と言っているイメージに、特典パーツは戦闘中に切羽詰まって大きめに「コン!」といった顔をイメージして口を大きく開け、目も大きく開いている感じにしました。通常顔の「コン」はつぶやいた瞬間で、口は少し開いていたほうがセクシーかなと思って。妖艶な雰囲気を出しつつ「コン」の瞬間も表現できたらと思い、この表情に決まりました。

——マキマの替えパーツの表情はどのように決まりましたか?

ShiKeMoK:マキマの通常顔は、デンジたちと接している際の印象の顔立ちをイメージしています。特典パーツはそこからミステリアス感を強めて、冷酷な顔立ちをイメージしています。微妙な差ではあるのですが、通常顔は綺麗な印象で、特典パーツは目つきが鋭くてちょっと怖さを感じる印象にしました。

——口の形は同じですか?

ShiKeMoK:口は同じです。目と眉毛で表情の差をつけています。

——アキとマキマのそれぞれ特によく見てもらいたいポイント、おすすめの角度はどこですか?

ShiKeMoK:当社のフィギュアブランド「SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE」のコンセプトとして360度どこから見ても見栄えがよくかっこいい、かわいいというのがありますが、自分たちの中ではフィギュアごとにキメの角度を持つようにもしています。アキは正面ではなく少し体を振った角度が、一番かっこいいと思います。狐の飛び出している感じとアキのシルエットがよく見えて奥行き感や広がりが見えるので。でも回してみると「狐のここ、こうなってるんだ!」とか「こういうガレキの飛び散り方してたのか!」など、キメ角度だけではわからないポイントがいっぱいあるので、ぐるぐる回して自分の好きな角度を探してもらえると嬉しいです。
マキマは真正面ですね。背後で何かがあってくるっと踵を返してこっちに来ている、というイメージなので真正面から見てもらえるといいかなと思います。ただ、マキマも角度によってコートの広がり方とかこの角度からみるマキマが美しいとか色々あると思うので、是非好きな角度を探してもらいたいです。

——再現が一番難しかったところはどこですか?

Design COCO:アキの難しいと感じた部分は顔です。クールなキャラなので、その印象を崩さないよう気を遣いながら造形しました。特にスケールフィギュアの特典顔は、口の開き具合など微妙な差で印象がかなり変わってしまうため、難しかったポイントです。

マキマは顔と身体です。女性らしい外見をしつつも、相反する冷酷な内面がどこか感じられるように、マキマらしい不調和感というかアンバランスな雰囲気が出るように考えて制作してみました。また、腰がかなり細く脚も長いという人間離れしたプロポーションのため、全体のシルエットが不自然にならないようにするのが難しかったです。

——アキのスーツの作り込み(Yシャツとジャケットの隙間やシワ感など)で意識されたことはありますか。

Design COCO:アキ自体は大きな動きのあるポーズではありませんが、その分見せ場となるようなリアルなシワ感を目指しました。布が体や縫い目で引っ張られてできる流れを意識して、違和感のないよう意識して作りました。また、シーン的に体の露出がない分、細身ながらの筋肉感などがスーツの上からも感じとれるように心がけてみました。


——狐の悪魔の正面はかわいくも見えますが、本物のキツネを参考にされているのでしょうか。

Design COCO:本物のキツネと、デフォルメされたキツネ両方を参考にしました。写真のほか、ガーデニング用のオブジェなど立体物も参考にしています。

——服を着ていてもマキマのスタイルが想像できますが、裸体の作り込みもかなりされましたか?

Design COCO:裸体から細かく作りこみをしています。原作のシルエット感や、アニメでの影の付き方も参考にしました。腕の動きや脚の肉感など、リアル感も出したいところはグラビア写真なども参考にしています。見えない部分でも、特に印象的な胸やお尻はしっかり作っています。またポーズ的に見えづらいですが、体で唯一の露出部である手はワンポイントとしてこだわっています。

——服の造形はどうされていますか?シワのクロスシミュレーションなど?

Design COCO:シミュレーターは使用せず、従来通りブラシ(ZBrushのMoveブラシやSlash3ブラシなど)を使って造形しました。

——服の厚みはどのように調整されていますか?Thickness機能など?

Design COCO:全てではありませんが、一部でDynamic SubdyのThickness機能を使用しています。数値は0.004~0.007ぐらいで、オフセット機能と併せて使用しています。

——購入を検討中のみなさんに一言お願いします。

ShiKeMoK:ちょうど4月23日(日)まで     、西武渋谷店 モヴィーダ館6F・7Fで「アニメーション チェンソーマン展」をやっていてこの2体のデコマスが展示されているので興味のある方は足を運んで現物を見て、色々なこだわりを感じ取ってもらえると嬉しいです。アキは等身大フィギュアも設置しているので実際のアキってこれくらいの背丈なんだ!とか狐の悪魔の大きさを感じてもらって、1/7でもこんなにボリュームがあるのか!など色々な発見があって楽しいと思います。チェンソーマン展に足を運んでもらいつつ、SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE販売サイトにも写真や動画がたくさんあるのでそれを見ながら購入を検討してもらえると嬉しいです。

Design COCO:アキは狐の悪魔と並んだ迫力のあるボリューム感をぜひお手元でお楽しみいただきたいです!よろしくお願いいたします!
マキマは衣装など細部に至るまで造形いたしました。ミステリアスさとかっこよさが出るように表情出立ちともにこだわっています。飛び散る血さえも美しい、長いコートをなびかせたかっこいい姿のマキマを是非お手元でご確認ください!

商品情報

『チェンソーマン』早川アキ 1/7スケールフィギュア

サイズ:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
大きさ:高さ288mm×幅259mm×奥行247mm
予約期間:2023年2月12日(日)09:00~2023年5月21日(日)23:59
原型:Design COCO(Art Director:CHIGA)
彩色:Design COCO(Art Director:CHIGA)
ディレクター:ShiKeMoK
製造:(株)アルファサテライト
販売元:(株)eStream
価格:42,350円(税込)

©藤本タツキ/集英社・MAPPA

 

『チェンソーマン』マキマ 1/7スケールフィギュア

サイズ:1/7スケール PVC製塗装済み完成品
大きさ:高さ258mm×幅171mm×奥行193mm
予約期間:2023年2月24日(金)10:00~2023年5月21日(日)23:59
原型:Design COCO(Art Director:CHIGA)
彩色:Design COCO(Art Director:CHIGA)
ディレクター:ShiKeMoK
製造:(株)アルファサテライト
販売元:(株)eStream
価格:28,820円(税込)

©藤本タツキ/集英社・MAPPA

Profile

フィギュアディレクター ShiKeMoK

株式会社eStreamに所属。SHIBUYA SCRAMBLE FIGUREの企画営業を担当。幼少期を座間で過ごし、父親の転勤で木更津へ引っ越す。木更津駅前に設置された証城寺の狸像を見たのがきっかけで立体像に興味を持ち造形の世界に足を踏み入れたのであった。

SHIBUYA SCRAMBLE FIGUR

㈱eStreamが展開する「スケール感」と「躍動感」を意識した高品質高級フィギュアブランド。世界に誇れるIPで世界に誇れるプロダクト(フィギュア)を生み出すことを目指しています。ブランド名には渋谷から世界に文化を発信することに思いを込めています。通称「渋スクフィギュア」。

URL:https://shibuya-scramble-figure.com/

Design COCO

アニメキャラクター等のハイクオリティな等身大・スケールフィギュアの制作を手掛ける制作会社。宮城県仙台市に本社を置き、3D制作から彩色まで社内一貫生産しています。工学的手法を駆使して、常に新しい技術を追い求め、3Dプリンターの開発・販売も行っています。