【原型師INTERVIEW】現在放送中のTVアニメ『チェンソーマン』より発売開始!「るかっぷ チェンソーマン」原型制作インタビュー!

スカルプターズ・ラボ注目のフィギュアの原型制作について紹介する【原型師INTERVIEW】!

メガハウスの見上げる見守る新フィギュアシリーズ「るかっぷ」より、TVアニメ『チェンソーマン』の「デンジ」と「パワー」が発売開始!一緒にお出かけするもよし、デスクに飾って見守ってもらうもよし。そんな2人のフィギュアについて、今回は担当原型師・ウータンさんに原型制作のお話を伺いました。

INTERVIEW

——「デンジ」「パワー」それぞれこだわった部分を教えてください。

頭部の造形などはもちろんなのですが、2体並べた時のバランスには特に気を付けました。短髪と長髪でボリュームが全く違うのですが、並べた時に違和感が無いように意識しました。また、パワーはパーカーを着ているのですが、女の子なので大きくなりすぎないように少し上半身を華奢にしたりしてバランスを取っています。

——特に再現が難しかったところはどこですか?

デンジの髪の毛です。ぼさぼさに見えて、まとまりもあるという表現です。毛量や毛先の表現などメガハウスの企画担当者様などからご指摘を受けながら調整しました。

——少し猫背ぎみで気だるげなデンジが表現されていますが、その雰囲気を出すコツなどはありますか?

コツとは違うかもしれませんが、るかっぷシリーズは大きい頭を後ろに大きく傾けているので、姿勢を良くしすぎると後ろ重心で倒れやすくなってしまいます。その条件もありつつ、キャラクターの雰囲気に合わせるため、少し背中を丸いラインにしています。気だるげな雰囲気に見えるであれば大成功です!

——パワーは少し前のめりで今にも動き出しそうな感じがします。

デンジのコメントとかぶりますが、パワーは髪の毛が長いのでさらに後ろ重心になりやすく、倒れにくいように工夫がしてあります。その上で、実は少しだけパワーは胸を張ったようなシルエットにしています。元気な感じに見えるようでしたら良かったです!

—— 制作に使用されたソフトとよく使用されるブラシを教えてください。

使用ソフト:ZBrush 2022
よく使用するブラシ:Move系(Move,MoveTopologica,MoveF,MoveB),Smooth,ClayBuildup,FormSoft,SK_TrimPolish,SK_Cloth,SK_Slash,DamStandard などです。

——頭・体・手・目の大きさのバランスについてかわいくなる絶妙な大きさの比率がありましたら教えてください。

すみません、ほとんど感覚でやっています。キャラクターによって少しずつ調整している感じです。今回で一例上げると制作依頼時のイメージスケッチや設定資料を見た時に靴が大きく感じたのですが、るかっぷシリーズの世界観を出ない程度に少し大きく造形してみました。結果的にキャラの雰囲気も出て、かわいいバランスになったのではと思っています。

——デフォルメの難しいところ、気をつけているところがありましたら教えてください。

デフォルメは情報が単純化されているぶん、ちょっとしたバランスの違いで印象が大きく変わってしまうところが難しく、面白いところだと思います。
気を付けているところはデザイン面と生産面の両方の意味でディテールをどこまで入れるか、省略するかのバランスでしょうか。

——1番の見どころを教えてください。

何かセリフを言いだしそうな表情でしょうか。実はデンジは最初もっと力の抜けた表情だったのですが、メガハウスの企画担当者様の演出で今の表情に変更した経緯があり、これで正解だったと思います。
パワーの表情は基本的に最初からそのままです(笑)。

——おすすめの飾り方はありますか?

お好きなベースなど見つけて一緒に飾るとより楽しいかと思います。

——購入をご検討中のみなさまに一言お願いします。

すぐ捨てられてしまうようなものは作りたくない!という気持ちで原型を制作しています。制作に係わった方々の愛がこもっていますので、愛でていただけるととても嬉しいです!

商品情報

商品名:るかっぷ チェンソーマン デンジ パワー
仕 様:彩色済みフィギュア
サイズ:全高約110mm
原型:うーたん×ピンポイント
彩色:おしりーな×ピンポイント
価格:各3,799円(税込)

るかっぷシリーズに、TVアニメ『チェンソーマン』より「デンジ」「パワー」が登場です! るかっぷは「look up」を元にした造語で、見上げ&おすわりポーズが特長の人気フィギュアシリーズです。デスクの上などに飾ったとき、通常のフィギュアと比べて目が合いやすくなっています。首は可動で表情をつけて楽しむことができます。全高約11cmでボリューム感もたっぷりです。今後発売予定の「早川アキ」「マキマ」と一緒に並べると、より世界観が広がります。

©︎藤本タツキ/集英社・MAPPA

 

 

Profile

ウータン(ピンポイント)

玩具開発会社を退社後、原型師として活動しています。