「黒色無双」+「ペンローズの三角形」の合わせ技であの耳を立体化!造形師・榎木ともひでさんの粘土造形術インタビュー!

写真:榎木ともひで

前回「スネ夫ヘアー造形」で7万いいねを獲得した、フィギュア造形師・榎木ともひでさんがあの大人気キャラクターを「黒色無双」と「ペンローズの三角形」を利用して立体化することに成功しました!制作したきっかけを榎木ともひでさんに伺いました!

 

 

 

INTERVIEW

——今作を作ろうと思った経緯を教えてください。

「スネ夫ヘアー」を作った後、あれも、これもと声が寄せられた中で「あ、それなら比較的簡単」と思ったからです。
同様の方法で再現できるキャラもありましたが、実はあの「顔」のほうに興味があったのでこのキャラを選びました。このキャラの絵はものすごく立体視できています。二次元で三次元を的確に捉えた絵なのです。なのでそれを確認したく再現してみたかったのです。すでに正解が設定されているようなものなので逆に再現に時間がかかり、かつ面白い作業でした。にもかかわらず(「顔」はものすごく立体視されているだけに)「耳」は不思議ったらありゃしない…(笑)。

——使用した粘土を教えてください。

グレイスカルピーです。

——制作時間を教えてください。

1週間くらいです。

——「エアブラシ」を使用して塗装されたのでしょうか?

今回はエアブラシを使いました。そのために顔の白い部分(グレーだけど)を分割しました。

——前回の作品と同様に「黒色無双」と「ペンローズの三角形」の合わせ技での作品ですが構図のアイディアはどのように生まれてくるのでしょうか?

前後左右どこから見ても「円」に見せたいなら「球」にすればいい。という発想が元です。
その先は後付けのアレンジです。作りながら調整しました。当初は可動無しで再現するつもりでしたが正面顔をどうしても再現したく、可動を入れました。より不思議に見せたかったので紐で引っ張る方式にしました。アクションフィギュアなら直接指で回転させれば済むことです。

 

 

Profile

榎木ともひで

1974年生まれ。美少女からバイオレンス系、リボルテック「ダンボー」など、あらゆるジャンルをこなすオールラウンダーな造形作家。eyewater主宰。漫画家志望から造形へと転向した経歴を活かし、キャラクターを徹底解析して「アニメ絵」特有の歪みから作風の魅力、癖に至るまで立体物に再構築する唯一無二の技術を持つ。キャラクターデザイン的なデフォルメや、空間構成力を駆使したヴィネットも得意技。近作は「SNOOPYMUSEUM TOKYO ピーナッツヴィネットコレクション Vol.2」「アヤナミレイ(仮称)第3村Ver. 」など。今年、造形師デビュー25周年を迎えTwitterなどで「#造形師デビュー25周年」でまとめた25年分(1998~2023年)の造形作品が全て見れるようになっている。オリジナル作品はWebショップなどで購入可能。eyewater-enoki

Twitter:@eyewater_e