【原型師INTERVIEW 】作品愛を詰め込んで制作!アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」フィギュアインタビュー

劇場総集編が2024年春・夏に公開予定となるアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」より、後藤ひとりがフィギュア化!今回、本作を企画したフリューのわっきーさんにお話をお聞きしました。

 

INTERVIEW 

——企画の経緯を教えてください。

アニメ化が決定したタイミングで、部署のメンバーでも話題になりまして、そのときにぜひ企画をやらせてほしいと私から手をあげました。私自身作品のファンで「これをやりたい!」というフィギュアのイメージが既に浮かんでいたので、版元さまに企画を提案させていただきました。

——本作は、アニメの絵を再現されたのでしょうか?

アニメ放送前に制作が始まったためアニメの資料が少なく、設定などを参考にしてアニメのデザインを再現しています。

——なぜこのポーズにされたのでしょうか?

普通の美少女フィギュアですと、ポージングを前屈みにはあまりしないのですが私の中でぼっちちゃん(後藤ひとり)は猫背気味なイメージがありまして。そのほうがグッとくるだろうなと思い、造形していただきました。「動きがないキャラだと思われたらどうしよう…」と心配していましたが、アニメ本編でいろいろな面白い動きをしてくれてたので、何も心配いりませんでした。むしろもっと動きを出したほうが良かったとも思いましたね…。

——企画〜完成までのワークフローを教えてください。

①企画(仕様・価格帯など)を考え、版元さまに提出。その際にイメージイラストも一緒に送る。

②許諾を得たら、そのイラストを元に原型師さんに原型を依頼。打ち合わせやディレクションを何回も行いブラッシュアップしていく。

③原型が完成したら版元さまに提出。

④監修後、フィニッシャーさんに塗装を依頼し、意見を出し合いながら完成まで持っていく。

⑤再度版元さまに彩色見本を提出。

⑥監修後、OKになったら、リリース写真を撮影し受注予約が開始。予約期間が終了後、受注分を生産し出荷。

——ぼっちちゃんの服装について。

結束バンドTシャツを着ている演奏シーンというより、日常で機材を集めて練習をしているような雰囲気を再現しました。なので普段着であるジャージにしています。

——髪の毛の造形について。

シンプルなポージングですが、うしろのほうを少しフワッとさせることで動きを出しています。あとは、前髪が結構長いので目との間隔やバランスを研究して作りました。

——スカートや靴下のシワもすごく繊細に造形されていますね!

ギターが当たってプリーツがつぶれるところなどは、ペタンとしていると動きが弱くなってしまうので、プリーツ部分を少し残しつつ造形しています。 

シワ部分については、アニメイラストだと表現がシンプルなので、そのまま立体化をしてもシワがないツルッとした質感になってしまったり、かと言ってシワシワにすると雰囲気に合わないということで、ちょうど良い塩梅を追求しています。

——エフェクターやワウペダルの造形について。

購入された方に「写真よりもいいな」と思ってもらえるように、機材の細かい文字や写真だとあまり写りきらない部分なども細かく作っています。
原作で機材がたくさん置いてある描写があるのですが、そこからインスピレーションを得て、台座部分に機材やケーブルを入れています。私自身も元々楽器をやっていたので、繊細な部分までこだわって作りました。

——ギターのクオリティもすごいですね。

実は同じシリーズのギターを持っているので、それを参考にしました。フレットやピックガードの部分はツヤを抑え気味にしたり、結構色を分けてよりリアルに見えるようにしました。

——特典の表情パーツについて。

本編ではいろんな顔が描かれていますが、やはり印象的だったのが「いいいいイキってすみません」の顔でした。ちょうど、その表情がライブハウスシーンで描かれていたり、本作のイメージもライブハウスということでマッチしているなと思い、この顔パーツにしています。実はほかの案もあったんですが、「やはりこの顔がいいだろう」となって決定した感じです。

——本作でこだわった部分は?

立体にする際に、どうしても2次元のイラストをベースにするので無理が出てくる部分があるのですが、そこは良い感じに抑えつつ可愛くしていくということにはすごくこだわりました。
あとは、顔を可愛く作るっていうことはもちろんなのですが、元々楽器や機械(機構も)が好きなため、そこはしっかりと再現するようできる限りこだわって造形しています。

——ぜひ見てほしい部分はありますか?

ポージングとかわいい顔とギター・機材・ぼっちちゃんのカッコ可愛い要素を詰め込みましたので、さまざまな視点から見ていただきたいです。見てもらったときに「あぁ、これはぼっちちゃんらしいな」「この部分こだわってんだな」とひとつひとつ感じてもらえたら、フィギュアも幸せなのかなと思います。

——購入を検討している方やファンの方に一言お願いいたします。

ファンの方に喜んでいただけるよう、作品愛も込めて制作させていただきました。スケールフィギュアがどんどん高価になってきている昨今ですが、手にとっていただけるよう頑張って価格も抑えております。ぜひ手にとっていただき、いろいろな角度から隅々まで楽しんいただけますと幸いです…!

 

 

商品概要

後藤ひとり 1/7スケールフィギュア

【作品名】アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」
【SKU】AMU-FNX0925
【販売形態】完全受注販売
【商品サイズ】全高:約220mm(台座含む)
【素材】PVC、ABS
【原型】あまぐり(制作協力:株式会社スパロー)
【彩色】明智逸鶴(大正堂)
【撮影】Vaistar studio
【予約受付期間】2023年11月24日 10:002024年02月26日 23:59
【お届け時期】2024年8月 お届け予定
【ブランド】F:NEX
【商品タイプ】スケールフィギュア
 
©はまじあき/芳文社・アニプレックス
 

Profile

フリュー株式会社 わっきー

F:NEXのスケールフィギュアの企画・開発を担当。現在は商品化進行に加え、3Dプリンタの出力や3Dデータでの造形を研究中。