原型師を育てる!スキルを格段にアップできるフィギュアの原型会社、スパローが新規に原型師の卵を募集。

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大手メーカーを中心に、幅広いジャンルのフィギュアを手がける原型会社、スパロー。

2019年に設立された新進気鋭の会社だが、瞬く間に規模を拡大し、現在は11名の原型データ作成チームとそれを支えるスタッフが年間200体以上ものフィギュア原型を手掛ける。デコマスの完成度の高さとクオリティには定評があり、業界の信頼も厚い。

意外にも、スパローの原型師は未経験で入社したメンバーが多く、前職はメーカーの営業やIT企業のサラリーマンだったり……ただ、フィギュアが好きだという情熱を持ったメンバーが集まり、入社してすぐに原型データ作成チームの一員となり、平均半年で原型制作のプロとして活躍している。

新人でも各自に与えられる充実の最新3Dソフト、ずらりと並ぶ確認用の3Dプリンタで常に3DCGと手に持った感覚を比較できる環境。チームリーダーによるZBrush講習、粘土造形セミナーやガレージキット制作教室への参加など、造形スキルを磨くため、会社が惜しみなくバックアップをしてくれる。

たいていのフィギュア制作会社では即戦力が求められるが、スパローは違う。「入社してから一流の原型師に育ってほしい」と言う太っ腹な瀬邉尚貴社長に、スパローの魅力と募集の背景を聞いた。

 

 

 

瀬邉尚貴社長インタビュー

瀬邉尚貴氏/株式会社スパロー代表。https://3dsculptor.jp/

 

――まずはスパローのお仕事を教えてください。

フィギュアの原型制作に特化した会社です。と言われても、一般の人は具体的にどういう仕事をしているか、思い浮かばないですよね。フィギュアのメーカーさんや版権主さんから発注を受けて、資料やデザイン画をもとに原型を制作し、納品する会社です。お仕事によってはデコマスまで作って納品もあれば、データで納品の場合もあります。株式会社BANDAI SPIRITSさんをはじめ、複数の企業さんと年間200体以上のフィギュア原型を制作しています。

 

実績例:「アイドルマスター シャイニーカラーズ Emotional lens 西城樹里」(BANDAI SPIRITS) 
THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

 

――入社したら、純粋に造形作業に集中できるんですね。

そうですね。普通はメーカーに入るとフィギュアを作れると思いがちですが、メーカーは規模が大きいので、自分のやりたい職種につけないことも多いんです。原型を作りたかったけど、広報に回ったとか。でもうちは未経験でも原型を作りたかったら原型データ作成チームに入ることができる。もちろん未経験でも誰でもいいというわけではないですが、うちはフリーランス(個人事業主)の集まりでなく、成長していく社員の集まりなので、責任を持って切磋琢磨できる環境作りをしています。

 

――設立から4年ですが、会社の歴史を教えてください。

僕は愛知でサラリーマンをしていたんですが、35歳で原型の師匠と出会って造形系の会社に転職し、10年目でスパローを立ち上げました。造形会社では最初はマスキングの仕事をしていましたね。ZBrushは師匠から教えてもらい、あとは独学で勉強を重ねました。立ち上げメンバーの坂本にZBrushを教え、先に上京して最初はマンスリーマンションに3Dプリンタ Form3を1台から始めました。2年目から原型師を増やしていき、今は坂本が教育係兼原型データ作成チームのリーダーとして会社を引っ張っています。

 

原型データ作成チームのフロアの奥には、手掛けた様々なフィギュアが並ぶ資料棚が設置。

 

――様々な職歴の原型師さんが所属されていますが、採用の基準とは。

基準は「フィギュア原型師になりたい」という思いの強さですね。ゲーム系出身の人たちのTポーズのポートフォリオを見ても僕はあまり何とも思わない。自分のこれまでの技術を生かしたい人よりも、何もできないけど絶対に原型師になりたい、という人に来てほしいです。「じゃあならせてあげよう」と。本気な人には僕が持っているのものをすべて教えるだけなく、できるだけ造形の勉強ができる機会を作っています。

 

――女性社員も多いですね。

業界の中でも多いと思います。女性の原型師は美意識が高く、丁寧な方も多いです。また、技術を身につけることでライフイベント後のはたらき方の幅も広がります。在宅でも作業ができますし。

磨きチームの江里さんは今月入社。大学では彫刻を学び、前職はMAYAを使ってマネキンの原型師。フィギュアの仕事がしたく「瀬邉社長が35歳からこの業界に入ったと聞いて、私も今からでも遅くないのかな」と転職を決意した。いずれは原型データ作成チームへいくつもり。趣味が競馬なので、『ウマ娘』が好き。

 

――未経験の人は、最初はどこに配属されるのでしょうか。

「申し訳ないけど今原型データ作成チームがいっぱいだから最初は磨きチームでやってもらえないか」ということはありますが、原型師になりたい人は最終的には、もちろん原型データ作成チームに配属されます。

 

――スパローの原型師の一日について。

定時が10~19時で、残業は一日平均2時間程度。朝は掃除して仕事に入って、昼休憩は好きなタイミングで取ってもらっています。週間目標があるので、それを上司フォローのもと、ちゃんと進捗しているかを確認しながら進めてもらいます。

塗装チームの石﨑さんは磨きチームから2ヶ月前に異動。大学では立体造形を学び、フィギュア関連の仕事がしたくて未経験から応募した。好きなフィギュアは美少女系で、趣味はイラスト。

 

――社員の造形力の強化について、積極的ですね。

造形力アップのためのセミナーのセレクションは僕がしています。塗装だと中野フィギュア教室さんとか。怪奇里紗さんの「日本一早く“3日間”で原型からガレージキットを作る初心者向け教室」はほぼ全社員が参加しました。
片桐裕司さんの彫刻セミナーは、粘土造形です。僕はもう10回くらい先生のセミナーを受けているんですが、片桐さんは造形にとって大切なものの見方・捉え方・伝え方を教えてくれるんですよ。これも、社内セミナーとして平日に開催してもらっていて、原型データ作成チーム以外の塗装や磨きチームもほぼ全員で参加しています。

 

――「ものの見方」という部分について詳しく教えてください。

まずはアウトラインを捉えてから細部にいく、というアプローチの話です。たとえば「トム・クルーズの顔を作る」という課題があったとして、写真を白黒にして反転してもトム・クルーズだとわかるでしょ? と。いくら目や鼻をそっくりに作っても、アウトラインが全然違っていたらトム・クルーズに見えない。最初から目鼻など細部を作り込まないで、大雑把にトム・クルーズとわかる表現ができてから作り込む。
同じフィギュアでも、眼球がどれくらい出ていてまぶたがどのくらい覆いかぶさっているのか、その知識を頭に入れて作り始めるのと、知識なく表面上だけ見て作るのでは出来上がるものが違う。そういう教えがすごく参考になりますね。

 

入社半年の若山さん(左)は原型データ作成チーム希望。前職はフィニッシャーで、スパローは人間関係の良さと立地で決めたそう。入社したら3DCGを学べるというのも大きな理由だ。趣味は昆虫標本を作り。好きなフィギュアはクリーチャーもの。
塗装・磨き・塗装チームリーダーの中田さん(右)は、IT企業出身。大のフィギュア好きで趣味はプラモデルとガレージキット。「仕事で塗って、土日は家で塗っています(笑)」。推しの原型師はFrenchDollさんや吉沢光正さん。

 

――本当に「育てる」という感じなんですね。

育てたあとどうするかというのが今の課題です。もちろん会社にいてほしいですけど、原型師ってどこか自分の力でやりたいという世界じゃないですか。個人事業主として、自立してやってみたいという人がいれば応援したいとは思っています。競業避止で押さえ込めば反発もある、それよりもスパローを卒業して独立するからといって縁が切れるわけではなく、良好な関係を築きつつ送り出せたらいいなと。卒業した人たちがいい作品を残して、スパローに入れば憧れの原型師みたいになれる、というような好循環が生まれるといいですね。

 

――10年後の展望は?

原型会社といえばスパローの名前があがるようになりたいですね。原型会社の日本一を目指しています。多くの人にこの職業を知ってもらい、クオリティの高い原型を出し続ける会社であり続けたいですね。

 

原型データ作成チームのお仕事現場 INTERVIEW 坂本チームリーダー

原型データ作成チームリーダーの坂本さんは、スパローの立ち上げメンバーだ。原型データ作成チームを統括し、造形だけでなく新人教育、スケジュール管理、割り振りをこなす。ZBrushは入社して覚えた。好きなフィギュアは漫画系やヒーローもの、趣味は音楽。

 

(左)和気藹々とした原型データ作成チームの明るいフロア。
(右)3Dプリンタ担当の秋丸さんは法学部出身、建築会社を経て入社という異色のキャリア。入社してから出力を学び、今はスキャン、3Dプリント全般を担当する。趣味はゲームセンターの格闘ゲーム。

――原型データ作成チームは何人くらいいらっしゃるんですか?

11人です。データ制作が9人、分割が2人です

 

――ひとり1キャラクターを担当される?

顔を作る人、体を作る人、というふうに一人前になるまでは反復して覚えるため分業していて、最終一つにまとめます。修正中の案件も含めると同時に10体以上が進行しているので、効率的にやるために分けて作業することが多いですが、最終的にはひとりで1キャラクターを作って貰いたいですね。

 

――1キャラクターにどのくらい時間をかけられるのでしょうか?

最初にお客さまに見せる「ファーストアップ」まではだいたい2週間くらい。そこから監修や修正があって、長いと1年くらいやっている案件もあります。

 

――未経験の人が原型師になるまでどのくらいかかるのでしょう?

人にもよるんですが、早くて半年です。未経験の人に教えるときは、体なら体だけを繰り返し反復して覚えるほうが早くうまくなるんです。1人でキャラクターを全部作るとなると、体を造形して次は衣装で……となるので、覚えたことがリセットされてしまうんですよ。顔なら顔を極めてもらって、ある程度作れるようになったら次は体に行こうか、というふうに順番にマスターしていき、半年で1セクションが作れるようになるというやり方をとっています。

 

――伸びが早い人の特徴はありますか?

順応する人です。アドバイスに対して、正確に当ててこれる人。自分がこうだと思うというこだわりは一旦置いておいて、お客さまの要望にこたえる。そこに合わせてこれる人が伸びやすい傾向にあると思います。

 

造形力をアップするための企業研修

片桐裕司 彫刻セミナー

スパロー社員がほぼ全員参加する「片桐裕司彫刻企業セミナー」。今回の「クイックフィギュアクラス」では3日間で67体、粘土で違うポーズを作るというスパルタ式。人体を構築する骨格に基づいたポージングを徹底的に叩き込まれるため、確実に造形力がアップする。普段はデジタルで粘土に触ったこともないスタッフたちが、最終的には2時間で1体を完成させていく。「入社したら登竜門としてこのセミナーに参加してもらっていますね」と瀬邉社長。

「クイックフィギュアクラス」のほかにも、「頭部クイック造形クラス」「男女性差フィギュアマスタークラス」「クリーチャーデザインクラス」など様々なセミナーが開催されている。

 

 

日本一早く“3日間”で原型からガレージキットを作る初心者向け教室

デジタル原型でアンダー、パーティングライン、立体交差、分割、強度、肉厚の理解を深めるため、造形作家の怪奇里紗さんが主催する「日本一早く“3日間”で原型からガレージキットを作る初心者向け教室」を社内クリエイター全員で受講。原型制作からシリコンでの型取り、レジンキャストまで、ガレージキット作りの一連の流れを3日間で学ぶことができる。

 

求人情報

<募集職種>
① 3DCGモデラー
② 3DCG出力技術者

<仕事内容>
【実務経験者の場合】
① 3DCGモデラー:ZBrush等の3DCGソフトの使用経験もしくは、手原型制作経験者
② 3D出力技術者:CADやCGアプリケーション等の使用経験者

【実務未経験/新卒/学生】
①、②、模型、フィギュア製作の好きな方、基本的な造形力をお持ちの方

 

会社情報

株式会社スパロー
代表取締役:瀬邉 尚貴
所在地:〒108-0073 東京都港区三田三丁目1番10号 三田マルハチビルヂング 4・5階
TEL:070-7630-5124
Mail:info@3dsculptor.jp

 

 

 

Text & Interview:スカルプターズ・ラボ編集部
Photo:岡本麻衣