【第5回】タンノハジメのZBrushドラゴン造形入門〜竜のウロコの造形→体への応用〜

タンノハジメ氏の「応龍」スカルプトテクニック。今回は竜のウロコの造形→体への応用を解説します。

※本記事は『造形作品集 DRAGON』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。

ウロコの造形

1.まずPlane3Dを挿入し、ZModelerでエッジを削除して分割なしの一つのポリゴンを作ります。

2.そこにマイクロポリからArmour01を選択して割り当てます。

3.今回はArmour01の1枚を使ってウロコを形成します。シェルごとに分割してバラバラのサブツールにします。

4.ギズモで上のパーツを下に持ってきてくっつけます。

5.両面をオフ、表面スムーズを0にするとこんな感じでできます。厚みはちょうどいい値に調整します。

6.今のところシェルが分かれていてますので、ダイナメッシュをかけて完全に一つのシェルにします。

7.ウロコを作ります。そのまま配置するとポリゴン数が多すぎて作業できないので、何度かデシメートしました。

8.5枚に複製してギズモで配置します。

9.ブーリアンで四角くくり抜くためにCube3Dを挿入し、位置調整します。この時、パースは切ります。

10.配置し終わったら、LiveBooleanをオン、Cube3DをIntersectionにし、ブーリアンメッシュ作成を押します。

11.これでウロコ自体は完成です。

ウロコを体に適用

1.まずは体サブルーツを選択し、先ほどの要領でダイナミックサブディビジョンからマイクロポリを適用します。

2.プリセットの部分をコントロールキーを押しながら選択すると、自分が作ったウロコのタイルを選択することができます。

3.選択するとこんな感じでタイリングされます。

4.向きはZ軸回転や整列で直します。

5.密度が均等で造形的にメリハリがないので、メッシュを調整します。

6.ZModelerを用いてエッジループを足し引きし、ちょうどいい間隔にしていきます。

7.これだ!という状態になったらメッシュに適用します。

8.体のベースを複製し、腹側を作っていきます。

10.抽出したら、Zリメッシャーでポリゴンの流れを整えます。カドが立っていると、これからの作業がやりにくいので、Smoothをかけウロコ側と馴染ませます。

12.ウロコがある素体に筋肉の流れ、盛り上がりを作っていきます。

13.結構大事な工程なのでうまくいくまで何度かやり直しました。

 

次回は「竜の腕」の造形です。お楽しみに!

※本記事は『造形作品集 DRAGON』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。
※全文は書籍にてご確認ください。

 

Profile

タンノハジメ

造形作家・3Dアーティスト・キャラクターデザイナー。1999年生まれ。高専の建築デザイン学科を経て、美術大学映像学科を卒業。ゲーム会社勤務を経て現在は作家活動の傍らクリーチャーを中心にゲームや映像分野のキャラクターデザイン、モデリング、また商業原型などを手がける。
Twitter@tnn_scaltinof
instagram
@tnn_scaltiof

書籍情報

『造形作品集 DRAGON』

2024年5月21日発売
176ページ
定価:本体3,000円+税
発売・発行:ボーンデジタル