第2回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ 受賞者&ピックアップ作品発表!

さらに、最新刊『スカルプターズ・ラボ03』では、受賞者&ピップアップ作品の掲載のほか、ご応募いただきました全作品を掲載しておりますのでぜひご一読ください。
【大賞作品】袁星亮「茹鸢」
【サイズ】W52×D24×H43cm
【素材】3Dプリント品
【作品解説】[ア・トンの生い立ち] 白水村のア・トンは、獣の習性や弱点を知り尽くした、特別な狩人だ。幼い頃から義父の教えを受け、あらゆる狩猟技術に精通している。飛石を得意とし、20歩以内であれば打ち損じることは決してない。鷲のように鋭い目にたくましい体で、腰には九つの石の入った袋を下げている。手に持っている武器は「株牙」と呼ばれ槍のように見えるが、実は先が開いて獲物を鋭い刃で素早く挟むことができる。常にそばに従う犬には立派な名前があり、風のように走り、風の匂いを嗅ぎ分け、風の吹く方向を見極める。ア・トンは「茹鸢(ルー・カイト)」という機械獣に乗っている。傀儡師が開発し、息子に贈ったものだ。ダチョウのような体は金属と木でできており、翼は鋭く、くちばしは合金製だ。足は長く頑丈で長距離をよく走り、どんなに遠い渓谷や溝でもまるで平坦な地面を歩いているかのように走る。背中には鞍と狩猟を助ける操作機構が装備され、この2 つが連動して川や湖を渡ることができる。月明かりの下、低空を逃げる背骨の垂れた獣がいる。突然、飛んできた石が尻尾に当たり、獣は地面に落ちて何度も転がった。この獣は以前、寺に忍び込んで貢ぎ物の丹珠を盗み食いしていたが、体内の丹珠によってゆっくりと元の姿に戻り「地蛟」と呼ばれる小さなドラゴンになった。地蛟のスピードは次第に遅くなり、追っ手から逃れるために葦の茂みに逃げ込んだ。だが投石が、矢のようにまっすぐに地蛟に襲いかかった。地蛟は驚いて立ち上がり、逃げるために再び空へ飛び立とうとしたが一組の鋼鉄の歯に噛みつかれた。恐ろしくなって振り返えった地蛟は、茹鸢に乗ったア・トンを目にした。ア・トンの株牙によって体を締め付けられ、地蛟は逃げることができなかった。
竹谷隆之コメント
とにかくオリジナル世界観の完成度が高すぎて素晴らしい!空間構成、デザイン、デジタル造形の技術、彩色、とくに他種生物や機械とのリレーションシップを感じさせるシチュエーション、動いている瞬間のポーズは “造形とは演出なのだ”と言わんばかりで脱帽です!獲物をブッ刺していないので、あとで仲間に……?などと勝手に先のストーリーを想像してしまうという術中にハマってます!
大山竜コメント
自分の世界を立体造形で表現するということの素晴らしさを再確認しました。人物、動物、機械、それぞれの質感や表情の豊かさに作者のこだわりと力量を感じます。物語の1シーンを切り取ったような構成もとても良いです。自分自身もいつか自分の想像した世界を立体として表現してみたいという強い想いが芽生えました。
石長櫻子/植物少女園コメント
場面の一瞬を切り取ったような躍動感があり、見た瞬間に物語の中に引き込む力を持っています。細部に至るまで丁寧に作り込まれていて、造形力の高さは言うまでもありません。中国的な模様と機械の融合したデザインも素晴らしく、全体的に非常に完成度が高い、圧倒されるような作品です。
塚田貴士コメント
大賞受賞おめでとうございます!まさに超絶技巧。ダチョウを思わせる機械獣は文化・様式を感じるデザイン。動き出しそうな説得力。美しいライン。それらを違和感なく見せられる構成力に脱帽。風になびき、踏みつけられた植物により疾走感を演出。思いついても作るのは難しいなとあきらめちゃう。物語を想像させる素晴らしい造形。
大畠雅人コメント
袁さんの作品は毎回素晴らしいですが、今回は特に構成のバランスが秀逸です。一本足で立つ乗り物や犬の躍動感、コンセプト、デザイン、造形、彩色すべてが高水準。強いて欠点を挙げるなら、完成度が高すぎるところです(笑)。
タンノハジメコメント
彩色、全体のシルエット、プロップのクオリティなど各要素のクオリティが非常に高いです。どうやってバランスをとっているのかわからない足の角度も見どころですね。横から見る構図が一番かっこいいのに人物の顔が見えないのが個人的には気になってしまいますが、それを差し置いても完成度の高い作品だと思います。おめでとうございます!!
SK本舗コメント
今にも動き出しそうなポーズに圧倒される躍動感。繊細で緻密な造形美とセンスの高さに脱帽です。木でできた機械獣というギャップ、さらにスチームパンクの要素も感じる世界観に完全に魅了されました。
スカルプターズ・ラボ編集部コメント
大賞おめでとうございます!どこから見ても美しく、照明や背景に凝ってたくさん写真を撮影してみたくなりました。メカの力強さ、ドラゴンや犬の流れるような動きの対比にも目を奪われます。主人公だけでなく乗り物や武器にも名前や設定があり、すべての作り込みが驚くほど精巧に組み上げられていて「完璧」とはこのような作品を言うのだろうと思います。
【竹谷隆之賞】陸玖「鍾馗」
【サイズ】W31×D26×H47.5cm
【素材】粘土
【デザイン・彫刻】陸玖
【彩色】LIANG.models
【Photo】junepop
【作品解説】本作は写意と写実を融合した手法で制作され、渦巻く袖の墨韻の流れと龍の如き筋肉の彫刻により、緊張感溢れる視覚的渦を構築しています。鑑賞者の視線は、鍾馗(しょうき)の怒りを宿した眼光と蜷局(とぐろ)を巻く顎ひげのクローズアップから、青筋立ち上がる手の劇的な動きを経て、足元で剣を握り締める醜怪な小鬼へと導かれます。この天から地へと貫く視線の流れは陰陽相克の理を暗示し、剛毅な質感と躍動する衣襞(えひだ)の衝突は、まさに雷光が宣紙に凍りついたかの如く、鍾馗の威厳を爆発的瞬間に封じ込めています。
竹谷隆之コメント
粘土でとても楽しんで集中して作っているのがビシバシと伝わってくる造形!こんなふうに“ほとばしる生き生き造形”が粘土でできると嬉しくってたまらないですよね!あらためて僕も“楽しく集中、生き生きと!”が大事だと肝に銘じます!
【大山竜賞】B2「改造人間鋏」
【サイズ】W15×D17×H39cm
【使用ソフト】ZBrush
【作品解説】改造人間の最新作。デザインは海洋甲殻類、昆虫、そして人間から影響を受けています。左手から分裂した巨大な甲殻のハサミが最大の特徴です。左右の半身は、巨大なハサミと細剣で対比を生み出し、視覚的に引きつける効果を誘導しています。
大山竜コメント
甲殻類をモチーフにした人型クリーチャー、僕が思う王道クリーチャー造形。一度見たら忘れられない、強烈な個性を放つデザインと配色。台座も含めた全体のシルエットがシャープに構成されており、細部に至るまで作者の意識の高さを感じます。見た人の記憶に強烈に残る造形だと思います。個人的にとても刺さる作品でした。
【石長櫻子/植物少女園賞】塩田絵里「薄暮の女王」
【使用ソフト】ZBrush、Substance 3D Painter、Photoshop
【作品解説】本作は“蛾”という不気味で儚くも神秘的な存在を基に、「薄暮」という一日の終わりと始まりの狭間に佇む異形の女王をイメージして制作しました。有機的な構造を持つ翅や体表の繊細なディテールは、ZBrushを用いて一筆一筆彫刻するようにモデリングし、その形状には生命の流動性と朽ちゆくものの静謐さを込めました。また、身体のシルエットを絞り、それをふわりと包み込むドレスのような翅を配置することで、堂々たる威厳の中にしなやかな女性像を漂わせています。造形の過程では、単なるモンスターではなく“再生を司る神格”と”朽ちゆく者”としての佇まいを重視し、各パーツに寓意的な要素(枯れ木のような鋭い脚部、蛹のような腹部、冬虫夏草を思わせる紅い器官など)を配置。仕上げにはPhotoshop によるレタッチを施し、2D と3Dの境界を曖昧にすることで、ビジュアルとしての没入感と一種の崇高さを演出しています。「女王は終焉を司り、静寂と再生をもたらすもの」──そんな語られざる神話の断片を、造形として立ち上げることを目指した一作です。
石長櫻子/植物少女園コメント
制作物を作品として見せるという点をきちんと意識しているのがとても好印象でした。狙い通り崇高なイメージかつ女性らしさもデザインに落とし込めており、神秘的な雰囲気がよく表現されていて説得力のある作品になっていると思います。単色でもディテールやシルエットの美しさがわかり、造形力の高さが伺えます。
【塚田貴士賞】METACHEN×EggyYueh 「トイス隊」
【サイズ】W9×D15×H7cm
【3Dプリンタ】Phrozen
【使用ソフト】ZBrush、Marvelous Designer
【作品解説】EggyYuehとの偶然の会話で子どもをテーマにした創作話になり、この企画を立ち上げました。ZBrushで子どものポーズのラフデザインを作成。子どもの年齢にそぐわない侍スタイルの装備を設定し、想像力豊かな子ども像を表現。Marvelous Designerで甲冑を3D 服装のパターンメイキングし、「柔らかい甲冑」に仕上げ、子どもらしい攻撃的すぎないイメージを形成。キャラクターに合わせて、生き生きとした動きのある玩具など、子ども向けのさまざまな情景小物を共同でデザイン。最終的にパズル風の地面をモデル全体に追加。実体化プロセスは完全に3Dプリントで出力。プリント後に全パーツを組み立て、全体の色彩設計を構想。初期組み立て時、接触面が小さい箇所には0.3mm銅棒で補強。接続作業が非常に困難でした。リアルな肌の塗装技法を採用。工程は煩雑でしたが、満足のいく仕上がりに。
塚田貴士コメント
愛らしい中に高い技術を感じる作品です。可愛らしい子どもが甲冑で勇ましく行進していますが、よく見ると柔らかいクッションのような鎧で刀も木の枝です。上を見上げ立ち止まり可愛い声で口上が始まりそう。後ろのおもちゃたちも絶妙な造形で、塗装により使い込まれた雰囲気が表現され子どもと過ごした時間を感じさせます。
【大畠雅人賞】銀のす「面狩りの巡礼」
【使用ソフト】ZBrush、KeyShot
【作品解説】衣服には無数の「顔」とその犠牲者を象徴する「部位」が縫い付けられている。この顔たちは、彼がかつて奪った魂たちの「表層の記憶」。皮膚ごと剥がされた仮面のようなそれは、意識を保ったままこの存在の一部となっており、夜な夜な呻き声をあげる。吊るされた干し首のランタンの中に灯がともり、それぞれが「見ざる」「言わざる」「聞かざる」の三様の違う表情をしている。迷える魂たちの道しるべであると同時に、犠牲者達の心の迷宮を映し出す。足元に群がるネズミたちは従者であり、「匂い」で人の記憶や感情の痕跡を嗅ぎ分け、獲物の潜む場所へ誘導する。
大畠雅人コメント
銀のすさんの作品は個人的に圧倒的でした。コンセプトや背景が一目で伝わり、キャラクターの物語や普遍的なテーマが反射的に浮かぶのは、オリジナルフィギュアの醍醐味だと感じます。
【タンノハジメ賞】陳捷璘「川太郎の魚屋」
【サイズ】W22×D20×H15cm
【素材】粘土、レジン
【作品解説】川太郎は今日の漁獲の準備をしているところである。タコは魚包丁を支えて手伝っているが、自分も漁獲の一つであることには気づいていない。デメニギス(または水滴魚)は自らの運命についてまだ考えているようで、哀しげにまな板の上に横たわっている。そばの貝は、ただ静かにこの一部始終を見守っている。
タンノハジメコメント
すぐに一番好きだなと思いました。見どころが多く、無駄がない。それぞれのキャラクター性と技巧的な緻密さが良さを消し合っていないことが素晴らしいです。皮膚と肋骨が変形して甲羅状になっているのが実際の亀の成り立ちのようで面白い。台座もまな板のようで可愛いです。個人的には各要素の サイズ差があるともっと印象的になるのではないかと思います。
【SK本舗賞】マンノ大輔「TRIP 2 DREAM」
【サイズ】W23×D15×H35cm
【3Dプリンタ】ELEGOO Saturn 2 、ELEGOO Saturn 3 、ELEGOO Saturn 3 Ultra、 ELEGOO Saturn 4 、ELEGOO Saturn 4 Ultra
【使用ソフト】ZBrush
【素材】プリンタ用レジン、木、ガラスストーン、マニキュア、ベルベットパウダー、リキッドアイシャドウ
【作品解説】
──けれども、少女にしてみれば、めんどうなことがひとつふえただけでした。というのも、姉たちのはだぎを洗たくしなくちゃならないし、ドレスにフリルをつけなくちゃいけない、ぜんぶ少女のしごとなのですから。ネズミたちも手伝いますが、あんまり役にはたちません。それにひきかえ姉たちは…
…あれ、もう寝ちゃったか。ここからがいいとこなのにな。
おやすみなさい、いい夢見てね…
作っていると、いろんなアイデアが湧いてくる。あれをしよう。こんなこともしちゃおうか!面白い!!俺、すごいかもしれん!そして唐突に思う。
…自己満足だ。伝わるわけない。
赤の他人からすれば興味も関心もない僕の作品、その下に解説文を無理やりくっつけてみたとして、そんなもの誰が読んでくれるんだろう?
僕は今、XとInstagramでしか、作品を発表していない。
出不精な僕の性に合っているから、そうしているだけだ。
でも、だから、最初の0.5秒が勝負なんだ。
彼や彼女のタイムラインに表示された画像、0.5秒の一瞬で「!?」と思ってもらえなかったとき、次の瞬間僕の作品はタイムラインの彼方に消え、目にしたことすら忘れられる。
情報量が多い作品は人目を引くけど、ゴチャゴチャでどこを見ていいかわからないものは疲れちゃうから見たくない。
だから、ピンクとダークブルーのツートーンで全体をまとめて、明るいピンク部分をまず見てね、というようにした。
「なんかゴチャゴチャしててすごい。ピンクかわいい。」0.5秒。
ここで彼らがスワイプを一旦ストップしてくれたら、追加で3秒、時間がもらえる。
3秒間、全体をざっと眺めて、そこに何があるか、だいたい理解してもらえる。と思う。
『キラキラドレス・お城・暗い少女・洗濯・想像』
これがわかれば、あと4秒くらいは眺めてくれるよな?ほうほう、なるほど、そういう作品ね。
この8秒弱で、「うん!この作品が言いたいことの9割は理解できたな!」という気になってもらえたら、僕にとっては万々歳だ。
僕らはパッと見てよくわからなかったものを、もっと知りたいとは思わない。
でも8秒で9割わかったんだから、もう少し観察したらたちまち全部理解できるぞ!そう思って、もうちょっとだけ覗き込んでくれるだろ?
待ってるぞ。僕が解説としてここに書きたかったことは、そこにあるから。
SK本舗コメント
飛び出す絵本のように、本から世界が広がっていく様子が見事に表現されていて、その世界に引き込まれました。情報量の多さと見やすさのバランスが絶妙です。
【スカルプターズ・ラボ賞】FENG YANGKUN 「The Fallen Angel」
【サイズ】W30×D30×H33cm
【素材】粘土、レジン
【作品解説】この作品は、純白の天使が邪悪な大聖堂に強制的に召喚され、堕落の呪文を唱え始める瞬間を表現しています。無垢な存在が悪に染まっていく過程を通じて、相反する二つの力──「純粋」と「腐敗」 ──の激しい衝突を描いています。
スカルプターズ・ラボ編集部コメント
脊椎や牙のように見える曲がりくねった木、積み上げられた本には蜘蛛か繭のような糸が絡みつき、隙間には髑髏が無数に置かれています。拮抗する力のバランスが今まさに崩れようとする、主人公の表情も素敵です。粘土造形をベースにミクストメディアで作り上げられた真正ゴシックの世界に、編集部一同魅了されました。
ピックアップ作品
月野 遼「異種融合個体:[リュウウンツノゼミ]」
【サイズ】W11.5×D16×H18cm
【3Dプリンタ】ELGOO Saturn 2
【使用ソフト】ZBrush Core
【素材】SK 水洗いレジン、Siraya Tech Craft Ultra Clear、本体:ユピカ注型用FRP、エポパテ等
【作品解説】この個体は、かつてこの惑星に滞在していた異星文明が、自らの肉体の限界を超えるために用いた生体融合技術の過程で創造された存在であると推測される。彼らは永続的な生命と、過酷な環境に適応できる肉体を求め、地球に生きる小さき者、とりわけ昆虫に、その可能性を見出した。
特異な遺伝子構造を持つ昆虫の情報を取り込み、儀式的ともいえる技術と科学の融合によ って、肉体を書き換える前段階として、数多くの異種融合個体が創造されたとされる。しかし、その異星文明の衰退は突然に訪れた。滅亡の原因が戦争だったのか、文明の崩壊だ ったのか、あるいは融合技術そのものが引き金になったのかは定かではない。長い時を経て創造主なき世界の中で、融合体たちは滅びを生き抜き、自然環境に適応しながら、ゆるやかに変化を遂げていった。当初の設計図に従って造られた存在とは違い、構造的・人工的な特徴よりも、有機的で生物的な質感や生態を示している。外殻の構成にも個体差があり、進化の痕跡が認められる。
この個体が発見されたのは、「クラウンドラドラ」と呼ばれる雲状の菌類が群生する、濃密な湿気と霧に包まれた地帯であった。背面に見られる胞子状の膨らみには、内部の熱を逃がす微細な通気構造が確認されており、高湿度環境下では排熱によって周囲の水分が凝結し、霧を発生させることがある。その霧が個体の輪郭と重なり、雲を纏っているかのような幻想的な姿を見せるため、当初は局地的に天候を操る個体と誤認された記録も残っている。しかし後の調査により、これは排熱と外部環境との相互作用によるものであり、気象を制御する能力は備えていないことが判明した。
霧の中に佇むその姿はまるで龍雲のような神秘的な印象を与え、頭部や装甲の形状がツノゼミ科の昆虫を思わせることから、観測班のあいだで自然と「リュウウンツノゼミ」と呼ばれるようになった。この名称は現在も観察記録における通称として定着している。
竹谷隆之コメント
虫モチーフで創作的だと、個人的にどうしても惹かれます!独自世界観がしっかりあることと、発色を意識した彩色センスもステキです!僕もオリジナル虫を作りたくなりました!
HIROKI HAYASHI「登龍門」
【サイズ】W12×D12×H28cm
【使用ソフト】ZBrush、Keyshot、Photoshop
【作品解説】本作品「登龍門」は、中国の伝説に由来する“鯉の滝登り”の物語をモチーフに制作しました。
古来より「登龍門」は、鯉が激しい滝を登りきることで龍に変身するという寓話であり、努力や試練を乗り越えて飛躍する象徴として語り継がれています。
本作では、荒々しい水流と共に、鯉から龍へと変貌を遂げた瞬間の迫力をZBrushで表現しました。
細やかな鱗の造形、繊細なヒゲの流れ、躍動感あふれるポージングを通じて、神聖かつ雄々しい龍の姿を際立たせています。
また台座には水の造形を取り入れ、ドラマチックな構図と一体化させることで、登龍の瞬間を立体的に描写しました。
「挑戦する者こそが龍となる」――
そんなメッセージを込めた作品となっております。
竹谷隆之コメント
龍というモチーフをオーセンティックな作法で造形しながら、物理法則に挑戦するかのような空間構成!現実と見まごうCG も魅力だけれど、大きく出力したものも見てみたいですねーぜひ!
いよべい「始界獣 バハムート=アルテグレアス」
【サイズ】W140×D84×H104cm
【3Dプリンタ】ELEGOO Saturn 3 Ultra、ELEGOO Saturn 2 、Halot-Mage S
【使用ソフト】ZBrush
【素材】Siraya Tech Build sonic grey、Siraya Tech Craft クリアレジン、SK 本舗 UV-LEDレジン『ネオレジン』、 UV-LED クラフトレジン『Aschenputtel -アシェンプテル-』、エポキシパテ、真鍮パイプ、ステンレスパイプ、木材
【作品解説】
自分が今までの造形人生で培ってきた知識・技術をすべて注ぎ込み、全幅1.4mの巨大フ ィギュアを制作しました。このバハムートは「界獣」という独自の世界観・ストーリーに登場するキャラクターで、「自身の肉体から要素を分け、生物を生み出した」という背景があります。
そのため、クリーチャーデザインには「動物の祖」をコンセプトに置き、ドラゴンをベースに哺乳類・爬虫類・鳥類・魚類・昆虫類と多くの要素を盛り込みました。羽毛が無いのは、肉体を分け与えた鳥類が~…といったストーリーがありますが、文字数の関係で割愛します。
大山竜コメント
自分の「好き」を余すことなく詰め込んだ渾身の力作だと感じました。造形の隅々から、フィギュアという形で表現したいという作者の強い意志と情熱を感じました。
海水浴怪「- 紙鳶 – 新中式妖狩り」
【サイズ】W20×D17×H27cm
【3Dプリンタ】Phrozen Sonic Mini 8K
【使用ソフト】ZBrush
【素材】レジン
【作品解説】本作『-紙鳶- 新中式妖狩り』は、中国の伝統的な民間工芸である剪紙(きりがみ)をインスピレーションの源とし、そこに風筝(カイト)と剪刀(はさみ)のモチーフを組み合わせてデザインされたオリジナルフィギュアです。 紙を繊細に切り出して人の形を作る剪紙には、「紙に魂が宿る」という幻想的な思想が込められています。本作の主人公は、そうした紙人形のような式神を自在に操ることで、妖怪を狩る力を持つ少女として描かれています。 背面には風筝をモチーフにした広がりのある構造を取り入れ、空を舞うかのような軽やかなシルエットを演出。風に乗って現れ、音もなく妖を討つ――その静かで鋭い戦闘スタイルを造形として表現しました。
また、左右に大きく広がるツインテールには、剪刀を想起させる曲線や刃の意匠を施し、「紙を断ち、妖を断つ存在」としての象徴性を際立たせています。 服には新中華スタイルを取り入れ、伝統的な中国の模様を基盤にしながら、現代的な装飾や象徴的な記号を巧みに融合させています。これにより、神秘的でありながらもリアルな妖狩り師の姿が生き生きと表現されています。流れるようなラインと柔らかな布の質感の中に、ふとした瞬間に“鋭さ”を感じさせるようなデザインに仕上げました。 さらに、折り紙を思わせる細やかなディテールや、舞い散る紙片のようなパーツが、まるで彼女自身が一枚の「生ける護符」であるかのような印象を与え、作品全体に神秘的な物語性を添えています。
大山竜コメント
切り紙をテーマにした独創的なキャラクターデザインが印象的でした。造形・塗装ともに完成度が高く、写真も含めた作品全体の仕上がりが素晴らしいです。
kamihiro「Crimson Requiem」
【サイズ】W12×D15×H28cm
【使用ソフト】ZBrush
【素材】レジン
【作品解説】この作品は、グスタフ・クリムトの象徴的かつ官能的な作風にインスピレーションを受けながら、「生と死」の二面性をテーマに制作しました。燃え上がるような赤髪は命の炎を、抱きしめる大きな骸骨は死の静寂を象徴しています。
繊細な肉体と重厚な骸骨との対比、金の装飾や布の質感など、装飾美と象徴性を融合させ、生命の儚さと美しさ、そしてその終焉の静けさをひとつの物語として表現しました。
「Crimson Requiem(深紅の鎮魂歌)」は、生の激情と死の安寧、そのどちらにも寄り添う魂の姿を描いた、静かなる祈りです。
石長櫻子/植物少女園コメント
効果的な配色によってぱっと目を引く構成となっていて、女性の魅力を引き出す形になっていて非常に印象的です。シンプルな構図も作品としてもまとまりがあります。全体における対比の表現も上手で、生と死をテーマにした作品であることが視覚的に伝わりやすくて大変良いです。椅子のデザインにも独自性があって面白いです。
カレー食ベタヨ「狗賓」
【使用ソフト】ZBrush
【作品解説】オリジナルデザインの天狗またの名を狗賓(ぐひん)は、日本各地に伝わる妖怪。グヒンという言葉は、天狗(てんぐ)の異名・別名として広く用いられてきた。
石長櫻子/植物少女園コメント
前後左右どの角度から見ても楽しめる面白いデザインで立体物としての魅力が非常に高いです。モチーフが天狗ということで、修験道の九字印を結んだ手の造形が印象的で、作品に独自の世界観を与えています。また、左右対称の構図も神秘性を高める要素として効果的に機能しており、視覚的なインパクトがあって好みの作品です。
ミレー 「瑞春」
【使用ソフト】ZBrush、Photoshop
【作品解説】「春を運ぶ龍」をテーマにしたこの作品は、冬から春へと移り変わる季節の節目をモチーフとしています。寒く静かな冬を抜け、生命が芽吹く春を迎える。その変化の象徴として、幻想的な龍の姿をかたちにしました。
角の造形には風化した流木をイメージソースとして取り入れており、自然に削られたような滑らかな曲線や欠け、剥がれを意図的に盛り込むことで、力強さと儚さの共存を表現しています。
体表の一部には魚や古代魚の鱗の意匠を施し、どこか太古の生き物を思わせるような、神秘的な印象を持たせています。また、現実には存在しない幻獣としての存在感を強調するため要所にヒレを追加し、空中をゆったりと漂うような軽やかさと、触れることのできない距離感を演出しました。
色彩は白をベースに、部分的に赤を差し色として使用しています。これにより、静寂と躍動、つまり冬の終わりと春の始まりという季節のコントラストを視覚的に表現しています。
塚田貴士コメント
一目見た時におめでたい心地になりました。後ろ足が上がった浮遊感も好きです。出力するなら保持の仕方を工夫して、花びらの散らし方も楽しそう。実物を見てみたいです。
SAEKINIKO「勇断」
【使用ソフト】ZBrush
【作品解説】今個人で考えてる物語りに登場する天使の過去の姿をイメージして作成しました。シルエットを意識して作成しました
塚田貴士コメント
憎らしいほどにかっこいい。構成の見事さによって作りっぱなしの翼の造形も気持ち良い。キャラの背景を連想させるデザイン。千切れた首、首元の目、手足の墨黒、影が二つ。
Bruce Yee( ブルース・イー) 「ノスフェラトゥ」
【使用ソフト】ZBrush、Photoshop
【作品解説】小説でもコミックでも映画でも、吸血鬼の話は好きだ。この彫刻は、最近観た映画「ノスフェラトゥ」にインスパイアされたものです。 吸血鬼の物語は、常に侵入と欲望を暗示する。吸血鬼から連想されることのあるコウモリの生き物をデザインしたかった。コウモリは目が見えないので、目がないデザインにしたかった。
大畠雅人コメント
海外ガレキの香りがして最高です。レジンのまま飾っても魅力が十分伝わる作品。
Kazuma Murata「Valkyrie」
【使用ソフト】ZBrush、Photoshop
【作品解説】遥か先の未来で神話のワルキューレ【Valkyrie】の名を借りて立ち上がる人造人間。
機械が発達した現実の歴史とは違う【もう一つの歴史】。
文明は発達しているが過去が息づいているどこか古臭さを感じるSF感や神話の名を受け継ぐ者たちの強さ、美しさそして儚さを感じ取ってもらえれば幸いです。
自分の作品は、色味をあえてのせすぎないことでその作品の重さや世界観を表現しています。
色がある作品も素晴らしく物語性が見えますが、自分の作品はそういうのとは真逆のスタイルで表現しています。またディテールも正確ではなく不完全なディテールとして落とし込んで有機的な要素を表現してみました。
今回は3DCG作品ですが、出力を想定して制作はしてみたので次回出力する機会があれば出力にも挑戦してみようかと思います。
大畠雅人コメント
色に頼らず量感とディテールで魅せる造形力が秀逸で、顔の見せ方も多彩です!
原口 翔「シャベゴン現る」
【サイズ】W20×D20×H13cm
【使用ソフト】ZBrush
【素材】水洗いレジン、UVパテ、石調スプレー
【作品解説】頭をシャベルのように使い土を掘り進むのでシャベゴンです。
タンノハジメコメント
一見ゆるい作風かと思いきやハードな怪獣。怪獣の出来がとてもいいので台座のクオリティラインもそこに合わせるともっと良くなりそうです。
gomap/ ごまぷ「エラ洗い」
【サイズ】W25×D25×H25cm
【3Dプリンタ】ELEGOO Saturn 3 Ultra
【使用ソフト】ZBrush
【素材】水洗いレジン
【作品解説】前回に引き続き応募させて頂きました。今回はただ自分が好きな魚を好きなように制作しました。エラや口の内部まで、本物を観察しながら再現しています。釣りが好きなので、釣り人ならではの視点から制作しました。
タンノハジメコメント
明確な意思とエネルギッシュな”好き”を感じる作品で非常に好感が持てます。実際のルアーと組み合わせられるサイズなのも素敵です!
南 和城「Circulation」
【サイズ】W15×D12×H24cm
【使用ソフト】ZBrush
【素材】レジン、アクリル絵具
【作品解説】ベルニーニやカノーヴァのような古典的な彫刻家の作品や現代のスカルプターの作品から造形や流れを学び、美しさを追求しました。
インスピレーションとしては西洋の絵画などから得ており、表情もレオナルドダヴィンチのスケッチを元に作りました。
スカルプターズ・ラボ編集部コメント
構図を深く研究されているのが伝わる作品だと感じました。ヒト×獣という神話的なコンセプトや、絵画的な佇まいにも心を奪われました。作品の物語もぜひ伺いたいです。
川原主万「emergence」
【サイズ】W30×D36×H38.5cm
【3Dプリンタ】ELEGOO Mars3 Pro
【使用ソフト】ZBrush、Blender
【素材】SK水洗いレジン
【作品解説】人間関係、社会生活の中で夢を追う感情を表現することを目的として作成しました。蛹から羽化し、瑞々しい美しさを放つ存在と、あがいてもそのようになれなかった年老いた存在を造形することで、新たなステージに進む人間と、社会生活のしがらみに抗いながらも、同時に絶望している人間を表現しました。造形的に目指したものは理想と現実の同居です。少女の造形は体の曲線を誇張するなど理想化した姿にし、少女に手を伸ばす老人はリアルな姿、その中間にセミリアルな蛹の男性を配置することで、現実から理想へ造形がつながるのではないかと考えました。夢を追って理想化していく姿も、現実と格闘する泥臭い姿も、その狭間で立ち止まっている姿もすべて尊いものだと私は考えます。この造形ですこしでもそれを感じていただければ幸いです。
スカルプターズ・ラボ編集部コメント
蛹から理想の姿へ羽化しその姿を羨む老人、という物語を造形力や構図で巧みに演出されていて強く心を打たれました。理想を追い求める姿はどんなものも美しいですね。
第3回「スカルプターズ・ラボ」造形コンペ応募受付中!
テーマ
オリジナル作品
審査員
【大賞・各審査員賞】竹谷隆之さん、大山竜さん、塚田貴士さん、大畠雅人さん、Entei Ryuさん、Yoshi.さん、スカルプターズ・ラボ編集部
【SK本舗賞】SK本舗
【ターナー色彩賞】ターナー色彩
応募締切
2025年9月30日(火)23:59締切
最新刊『スカルプターズ・ラボ03』好評発売中!
『スカルプターズ・ラボ03』
2025年8月9日発売
160ページ
定価:本体2400円+税
発売・発行:ボーンデジタル
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