ロン・ミュエク、パトリシア・ピッチニーニ、カズ・ヒロ。世界トップクラスのハイパーリアリズム彫刻が一同に結集! リシェイプド・リアリティ展

大阪文化館・天保山にて開催中の、「リシェイプド・リアリティ:ハイパーリアリズム彫刻の50年」。
ロン・ミュエク、パトリシア・ピッチニーニ、カズ・ヒロ、ロバート・グラハム……1970年代から現代に至るまで、この50年間に制作された素晴らしい彫刻の数々を世界中から集め、手が届く場所で生で見ることができる稀有な機会だ。
これだけの展示を日本で見ることができるのは万博開催期間だけ。
展示は5つのセクションに分かれていて、作品の持つ意味とその本質や影響をわかりやすく解説してある。ほとんどの作品が写真撮影も可能なので、造形好きは必見(以下は展示の一部です)。
SECTION1 幻想を生み出す:人間の複製
ジョン・デ・アンドレア

John De Andrea,American Icon – Kent State,2015 © John DeAndrea
Courtesy of Galerie Georges-Philippe & Nathalie Vallois, Paris and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1941年生まれ、アメリカ。ファイバーグラスや様々なプラスチックで作られた生身のモデルの鋳型を使用し、アクリル絵具や油絵具、かつら等を使い写実性を高めている。こうした写実的な表現のもたらす直接的な効果は、あたかも私たちが生きている相手の肉体を目の前にしているかのような錯覚である。デ・アンドレアはドゥエイン・ハンソンと同様、ドッペルゲンガー原理に興味を持ち、クラシカルでアンティークな美の理想を借用しながら、個々の特徴を綿密な正確さによって現代に置き換える。他方、社会的なテーマに関する批判的な姿勢は、作品《アメリカの象徴-ケント州立大学》にも表れている。
グレーザー/クンツ

Glaser/Kunz,Jonathan,2009 © Glaser/Kunz
Courtesy of Gagliardi Art Collection, Turin
スイス出身、独自の芸術表現を確立した国際的アーティストユニット。映画と美術史を学んだダニエル・クレーザーとチューリッヒ美術デザイン学校で学んだマグダレーナ・クンツの二人の活動は20年以上に及ぶ。2007年以降、デジタルメディア、彫刻、パフォーマンスのジャンルを超えた様々な接点を模索し、彫刻の伝統的な概念を再定義をし続けている。実際の人間の顔や頭の模型から制作される彫刻をサウンドと組み合わせ、生きているようなゲームの幻想のような印象を人々に与える。従来の概念に挑戦すると同時に、現代の人間像に疑問を投げかける。
SECTION2 モノクロームの彫刻
ロバート・グラハム

Robert Graham,Heather,1979 © VG Bild-Kunst, Bonn 2024
Courtesy of Louis K. Meisel and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1938年生まれ、2008年没。メキシコ。1960年代、プレキシガラスの箱に入れる小さな蝋人形を制作し始め、1970年代にはブロンズ彫刻を鋳造するようになる。 数多くの大きなモニュメントやドローイングを除けば、彼の作品は主に女性の等身大よりも小さなブロンズ彫刻で構成されている。 それらは見る者と彫刻の関係、覗き見と近寄りがたさの間の関係を繰り返し分析している。
ジョージ・シーガル

George Segal,Early Morning: Woman Lying on Bed,1992 Courtesy of the George and Helen Segal Foundation / VG Bild-Kunst, Bonn, 2024 and Templon, Paris – Brussels – New Yorkimage © Isabelle Arthuis
1924年生まれ、2000年没。1961年から、石膏を染み込ませた短冊状の布を使い身体の印象を直接表現するようになる。彼の単色の彫刻は、シンプルな椅子から家具付きの部屋まで、現実の物と直接的に関係している。写実的な上塗りを放棄し、純粋な単色の人物像を用いることで、彼の作品の振り付け的な性質を強調し、鑑賞者がその場面に自分を投影することを可能にしている。
SECTION3 身体のパーツ
カズ・ヒロ

Kazu Hiro,Andy Warhol,2013 © Kazu Hiro
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1969生まれ。アメリカ/日本。ハリウッドでメイクアップアーティストとしてキャリアをスタートさせ、アカデミー賞をはじめ映画界で数々の賞を受賞。樹脂やシリコンなどの素材を使い、等身大よりも大きく、アイコニックなアーティストや有名な人物を戦略的に流用することで、異常なまでの親密さと距離感の間で揺れ動いている。
ヴァルター・カゾット

Valter Casotto,In the Box extended,2017-18 © Valter Adam Casotto
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1980年生まれ、イタリア。数々の海外テレビ・映画作品に参加するメイクアップ・アーティストでもあり、現在、ロンドンとパドヴァを行き来しながら活動中。彼の作品に繰り返し見られる要素は、個人だけでなく時間の経過に伴う集団的アイデンティティの考察である。カゾットは自身の作品を、鑑賞者が自分自身を見つめ直し、従来の境界を打ち破れるように誘うものだと考えている。過去、現在、未来といった時間的変数を自らのアイデンティティと結びつけて再考することで、従来の境界線を打ち破る。
SECTION4 スケールの遊び
ロン・ミュエク

Ron Mueck,Untitled
(Man in a sheet),1997 © Ron MueckCourtesy of Olbricht Collection and Anthony D’Offay, London Photo: Joachim Fliegner, Bremen
1958年生まれ、オーストラリア/イギリス。 20年以上にわたって映画や広告業界でモデルビルダーや特殊効果技師として働いた後、1990年代半ばからアーティストとして活動。シリコンとアクリルで作られた彼の超リアルな彫刻は、実在のモデルや粘土で作られたマケットに基づいて制作されることが多い。誕生、病気、死といった人生の主要なサイクルが彼の主な関心事である。細部まで忠実に再現されているように見えるが、彼の作品は現実の再現ではない。むしろ、大きさで遊んでいるのだ。ミュエクの被写体は、超現実的な細部とともに、実物よりもはるかに大きく、あるいははるかに小さく、相対的な大きさや知覚的距離に関する既成概念に挑戦している。
ジャルコ・バシェスキ

Zharko Basheski,Ordinary Man,2009-10 © Zharko Basheski
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1957年生まれ、北マケドニア。 彫刻科教授。日常をはるかに超えた感情的な状況にある人々を描き、人生の不可解さと人間存在の挑戦を扱っている。作品の感情的な力を高めるためにサイズで遊ぶ……つまり、特大サイズの彫刻を制作することで、無敵な印象を与えると同時に、逆説的に、より傷つきやすく、ためらいやすく、疑心暗鬼にとらわれているように見えるのだ。彼の作品は私たちに人の内面と外見との間には直接的な繋がりがあることを気づかせてくれる。
ヴァルター・カゾット

Valter Casotto,Stringiamoci a coorte,2017 © Valter Adam Casotto
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, TübingenPhoto: Luca Vascon
SECTION5 操作された自己・デフォルメされた現実
エヴァン・ペニー

左:Evan Penny,Panagiota: Conversation #1, Variation 2,2008 © Evan Penny
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
右:Evan Penny,Self Stretch,2012 © Evan Penny
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1953年生まれ、南アフリカ共和国。彼の彫刻活動は人間の身体を探求しており、その表皮の超精密な完成度でよく知られている。被写体のプロポーションを伸ばしたり、変化させたり、その他の方法で操作することで、ペニーは写真やテレビ、デジタル画像でおなじみの歪みのような効果を生み出している。彼のデフォルメされた身体の彫刻は見るものを惑わし、デジタル・メディアの世界がもたらした知覚の変化を私たちに教えてくれる。
トニー・マテッリ

Tony Matelli,Josh,2010 © Tony Matelli
Courtesy of the artist and Institute for Cultural Exchange, Tübingen
1971年生まれ、アメリカ。ニューヨーク、ウィスコンシン、ミシガンで学んだ後、ジェフ・クーンズのもとで数年間活動。彼の作品は重力が停止し、時間が止まったかのように見える。彼のデフォルメされた超現実的な彫刻の技術的な完成度と、自己矛盾的あるいは超現実的な構成/配置は、物事の不合理さを際立たせている。多くの場合、彼の人物はコミカルに奇妙な状況に絡めとられていたり、夢遊病者であったり、ピアノに轢かれていたりする。
パトリシア・ピッチニーニ

Patricia Piccinini,The Comforter,2010 © Patricia Piccinini
Courtesy of Olbricht Collection and the artist
1965年生まれ、シエラレオネ / オーストラリア。経済学と絵画を学び、シリコーンとプラスチックで、動物と人間の中間的な存在、あるいはサイバー・テクノロジーと人間の組み合わせのような作品を制作する。一見したところ、毛むくじゃらの体や、
開催情報
会期:
2025年4月11日(金) 〜 10月13日(月)
※ギャラリーツアーを開催します。詳細は下記をご覧ください。
開館時間:
11:00 〜 18:00(最終入場は閉館30分前)
月曜休場日(祝日の場合は翌火曜)
※5月7日(水)は休館
※7月21日(月)・7月22日(火)はオープン
チケット:
入場には展覧会パスポートまたは単館チケットが必要です
チケット情報はこちら >
会場:
大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)※5階受付
大阪府大阪市港区海岸通1丁目5-10
アクセス方法:
・電車
大阪メトロ中央線「大阪港駅」1番出口より徒歩約5分
・バス
大阪シティバス「天保山ハーバービレッジ」下車1分
南海バス「海遊館(天保山)」下車1分
関西国際空港発 リムジンバス「天保山(海遊館)」下車1分