【ZBrush最初のつまづきQ&A】どこが正面かわからない

ZBrushを買ったけれど、難しすぎて1日で放置……そんな人へ。今回は大人気フィギュア原型師、映画作品の3Dモデリングでも活躍中の藤本圭紀さんに、正面を確認しながら造形する方法を聞きました。

ZBrush最初のつまづきは?

どこが正面かわからなかったです。
ぐるぐる回しすぎていて底面と正面がわからなくて使いにくいなってイライラしていましたね。僕は常に正面にピタッピタッと戻して確認しながら作りたいんですけど、オブジェクトをぐるぐる回していると、位置が定まらないんですよ。粘土だと手で持って位置を見ながらアングル決めができるじゃないですか。今は自然にここが正面!ってわかるようになりましたが、最初は中でぐるぐる動いちゃってわからなかったですね。

解決方法は?

Shiftを押しながら動かすとピタッと正面にきます。横もピタッと。ペンタブからペンを浮かせてボタンを押しながら動かしているんですよね。この状態でShiftを押すと近いほうの角度に合います。これがわかるまで全然できなかったんです。手動で正面に合わせないといけないのかっていうすごい初歩的なつまづきではあるんですけど。

たとえばいっぱい顔がある観音様とかの場合でも、一番最初に作った顔が正面になるってことですよね。

そうなんですよ。そこがZBrushのしんどいところで、みんなどうやってるのかな?僕は[ZAffine Transformer]っていうプラグインを使ってるんですよね。

そのプラグインを入れるとどうなるんですか?

正面や移動した位置を保存して、動かした場所から元の位置に戻したり行き来できるプラグインです。

これに似た機能もZBrushにつきました。Stager

正面の顔でHome Stage

動かしてTarget Stage

そこでステージを切り替える(Switch Stage)とこうなる。


さっき彫刻していた位置に戻したいなって時はステージを登録して切り替える必要があるんですね。

そうなんです。

これはいくつも覚えさせられるんですか?

基本的に僕は、HomeからTargetまでの2つの位置を行き来しながら作っています。

例えばキメ顔が正面ではない場合は?

作品のメインアングルはTarget Stageに、自分が自分が確認しやすい位置をHome Stageにして、Switch Stageで行ったり来たりって感じですかね。

 

 

藤本圭紀

1983年生。大阪市出身。
大阪芸術大学彫刻科の在学中より、本格的に造形活動をスタート。
卒業後。商業原型師として株式会社エムアイシーへ入社。
2012年から創作フィギュアの制作を開始する。
2015年、豆魚雷 Amazing Artist Collection 第3弾に選出。
2017年よりフリーランスとして活動。
商業原型と創作フィギュアの制作を中心に、キャラクターデザイナーなど多方面で活躍中。

Twitter:@YOKKI_munchkin_