【第3回】大畠雅人のZBrushでリアル系フィギュア造形入門 〜体造形に必須!プラグイン「Human Zbuilder v3」の使いこなし方〜

大畠雅人氏の作品「Breaking Free」。本作のメイキング&解説を5回にわたり紹介!【第2回】は新機能「ダイナミックシンメトリ」を使用して全体構図の完成を目指し【第3回】はポーズを固めていきます。

※本記事は『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』に収録されているメイキングページを抜粋して掲載しています。

 

 

 

 

ZBrushで体造形を作る

1. 今回はアートステーションで購入した「Human Zbuilder v3」を利用して、素体を作ります。

 

2. パラメーターを操作して、素体となる性別、身長、太り具合などを決めます。

3. こちらでポーズも付けられますが、正直微妙なので、素体のみの利用です。

4. 素体を抽出したら、フィギュアのキャラクターに沿うように上から造形をしたり、削ったりして、ベースとなる素体を作りました。

 

 

5. ポーズを付けるため関節ごとにグループ分けをします。SelectLassoで部分的に表示させたらGroupVisibleでグループ分け。

 

6. ポリゴンの境目のギザギザはSmoothGroupsできれいにできます。

 

ポーズを作る

1. Light BoxのProjectから8HeadFemale Ryanを呼び出してポーズを付けます。

2. ボーンを動かすときはTransposeからRotateモードで動かします。

3. ショートカットキーのAを押すと、メッシュがMargeされエクスポート可能になります。もう一度Aを押すと編集モードに戻ることができます。

4. エクスポートしたポーズに合わせて、先ほどの素体を当てはめていきます。バラバラにして位置合わせする感じです。さすがにこれほどポーズがついているとかなりバラバラになりますね。

5. 隙間をスフィアで埋めて、少ないポリゴンでMargeしてしまいます。

6. ゼロから作り始めるつもりで、アナトミー系の本を参考にしながら造形していきます。骨、筋肉、脂肪の順に意識して、女子の場合は胸を最後に作ります。

POINT

ポーザーのスタイルより脛を長くしてあります。座ったポーズのフィギュアの見栄えを良くするためのデフォルメです。

 

 

次回【第4回】は大畠流・衣服の作り方を伝授!お見逃しなく!

 

 

 

Profile

大畠雅人

1985年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学油画科 版画コース卒業。2013年株式会社エムアイシー入社。 デジタル原型チームに所属し、数々の商業原型を手 掛ける。2015年のワンダーフェスティバルで初の オリジナル造形「contagion girl」を発表。翌年冬 のワンダーフェスティバルで発表したオリジナル2作目の「survival01:Killer」は豆魚雷AAC(アメージングアーティストコレクション)第7弾に選出される。ワンダーフェスティバル2018上海プレステージでは日本人招待作家に選出。2022年、NHK『おかあ さんといっしょ』人形劇「ファンターネ!」のキャラクターデザインを務める。現在はフリーランス原型師として活躍中。

Xアカウント@shiyumaimai
instagram@shiyumaimai

 

 

『STRING 大畠雅人アートワークス・造形テクニック』好評発売中!

160ページ
定価:本体2,700円+税
発売・発行:ボーンデジタル