【原型師INTERVIEW番外編 】大人の美意識に響くキャラクター表現を追求。TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢 フィギュア制作インタビュー!

TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』より、喜多川海夢が「グラス エディション」シリーズとして立体化!グラスの中で輝くように佇む海夢ちゃんの姿は、まさにラグジュアリーで特別なひととき。本作を手がけたプライム1スタジオ企画担当者にデザインコンセプト、造形へのこだわりまでを伺った。

 

 

INTERVIEW

——「グラス エディション」シリーズが始まったきっかけを教えてください。

「グラス エディション」シリーズが始まったきっかけは、キャラクターをただ“フィギュア化”するだけではなく、より洗練された存在へと昇華できないかという発想からでした。
従来のコレクターアイテムの枠にとらわれず、現代的で洗練された美意識を纏った造形と演出を通して、キャラクターの新しい一面を引き出すことに挑戦しています。日常に溶け込むアートピースとして飾ることができるスタイルを採用しつつも、背景には、“大人の美意識に響くキャラクター表現”というテーマが通底しています。これまでのキャラクターの魅力とは異なるアプローチで、その本質を再解釈することを目指しました。

——本作の企画が⽴ち上がった経緯を教えてください。

本作の企画が立ち上がった背景には、既存の美少女フィギュアとは異なる切り口で新たな魅力を提案したいという想いがありました。
キャラクターの持つ“可愛らしさ”や“華やかさ”にフォーカスしつつも、それをより洗練されたスタイルで表現することで、まるで雑誌の1ページを切り取ったような世界観を創出したいと考えたのが始まりです。その中で着目したのが、夜の街を彩るような都会的でグラマラスな美しさ。そんな雰囲気をまとったキャラクター表現をフィギュアに落とし込むことで、従来とは異なる感性に響くシリーズとして立ち上げられたのが「グラスエディション」です。単なる“実用品”としてのグラスではなく、“装飾的価値”と“キャラクターの魅力”が融合した、アートピースとしての在り方を目指しています。

——海夢ちゃんのコスチュームはバニーガールとなっていますが、このデザインになった経緯を教えてください。

本作における喜多川海夢のデザインには、初期段階から「グラス エディション」シリーズのコンセプトが反映されています。
特に、“華やかさ” や “洗練された大人の雰囲気” をモチーフに、既存のコスプレの延長ではない、“グラマラスで魅せる” ビジュアル表現を追求しました。
バニーガールというモチーフは、そうした世界観と非常に親和性が高く、キャラクターの魅力を最大限に引き出せると判断し、企画初期から有力な案として挙がっていたものです。彼女自身がコスプレイヤーであるという設定を踏まえ、少し背伸びした大人の衣装を選ぶという演出も、”彼女らしさ” を活かす方向性として機能しています。

また、バニーガール衣装はシンプルながら造形的な美しさや素材感のコントラストを楽しめるため、フィギュアとしての立体映えにも優れている点も重要でした。他にもいくつかの案は出ましたが、本シリーズの世界観やプロダクト全体のラインアップとのバランスを鑑み、このビジュアルがもっとも理想的だと判断し、最終的に採用に至りました。

——今回はオリジナルデザインとのことですが、デザイン案はいくつか検討されたのでしょうか?

今回の「グラス エディション」は、“特別な時間”を想起させるようなコンセプトのもとで立ち上がったシリーズでもあります。そのため、クラシカルで洗練されたシルエットや美麗なビジュアルを意識して、複数の衣装デザインパターンを試作しました。最終的に採用されたバニースタイルは、中でも特に「上質さ」「特別感」を演出できると感じたもので、キャラクターの可愛らしさや魅力を最大限に引き出せるデザインとして選定しています。

——ポーズについて。

キャラクターとしての可愛らしさや華やかさを最大限に引き出せるよう、細部まで丁寧に検討を重ねました。
グラスの中というシチュエーションに自然と馴染みつつも、見た人の目を惹きつけるような、繊細かつ大胆なポージングを意識しています。
グラスの縁に腰掛けて脚を交差させたこのポーズは、海夢ちゃんの自由奔放で自信に満ちた面を表現しながら、フィギュアとしての立体映えも考慮したものです。他にもいくつかの案がありましたが、グラスとの一体感や物語性を重要視した結果、この現在の案が最も魅力的だと判断しました。

——海夢ちゃんらしさを⽴体化するうえで、特に意識された点や⼯夫された点を教えてください。

海夢というキャラクターの持つ「等身大の女の子らしさ」「華やかな存在感」の両面を意識しながら、バランスを工夫しました。表情・仕草・衣装のディテールに至るまで、“海夢ちゃんらしさ” が自然とにじみ出るよう、全体のトーンを丁寧に調整しています。
特に目元や口元の表情、肌の色味や質感表現には細心の注意を払っており、アニメのキャラクターとしての可愛さと、リアルなフィギュアとしての説得力を両立できるよう試行錯誤を重ねました。
衣装に関しても、海夢が楽しみながら着こなしていそうなテイストに仕上げることで、キャラクターとの親和性を高めています。

——本作の制作において、最も重視されたポイントを教えてください。

キャラクターとしての海夢ちゃんの“空気感”や“テンション”を、ひと目で感じ取ってもらえるような表現を実現することでした。
特に意識したのが、視線の向きや口元の表情、腰のひねり、足の位置、手の角度など身体のラインがつくる自然なリズム感と流れです。単にかわいらしいだけでなく、「海夢ちゃんならこういう仕草をしそう」と思っていただけるような、“らしさ”が自然とにじみ出るようなポージングと造形を目指しました。

——海夢ちゃんの表情は、五条くんに向けたような“ニヤッ”とした笑みにも⾒えますが、どんな⼈物やシーンをイメージして制作されたのでしょうか?

まさに。本作における五条くんの存在は非常に重要な前提となっています。
制作時にまず意識したのは、喜多川海夢というキャラクターが「恋をしている女の子」である、という点です。今回はバニーガールという大胆な衣装をまといながらも、見せる表情には照れや緊張、そして彼女らしいお茶目さが共存しています。この“ニヤッ”とした微笑みには、どこか五条くんに対してイタズラを仕掛けるような、でも内心ではドキドキしている——そんな乙女心が込められています。
まさに彼女の中にある「素直さ」と「背伸び」のバランスを表現することを意識しました。鑑賞される方には、彼女の中にあるさまざまな感情の揺れも感じ取っていただけたら嬉しいです。

——髪の毛の流れについて。

髪の毛の造形は、キャラクター性を引き出すうえで非常に重要な要素と捉えており、本作においても特にこだわったポイントのひとつです。海夢ちゃんは作中でも常に明るく、表情豊かで、どこか軽やかな印象があります。その“空気感”を立体として再現するために、髪の毛の一本一本の流れや、ふわりと空気を含んだような立体感に注力しました。また、やや後ろに流れる毛束の動きには、ポージングとの連動性も意識しており、静と動のバランスが取れるように構成しています。360度どこから見ても“絵”になるよう、彫刻的なリズム感にも配慮しました。髪の柔らかさや軽やかさ、そして美少女フィギュアとしての“華やかさ”を両立させることを常に意識して制作しています。

——本作のワークフローや制作期間について教えてください。

企画立案から3Dモデリング、造形、塗装設計、量産に至るまで、複数のステップを経て丁寧に制作されています。
特に今回は、オリジナルデザインかつ繊細なディテール表現が求められるアイテムであったため、初期のデザイン検討や監修プロセスにおいても密なやりとりと時間を要しました。社内外のデジタルアーティストや造形師、ペインター、設計チームが連携し、それぞれの工程で最適な品質管理を行いながら、全体の開発を進行しています。完成品は、工程ひとつひとつを積み重ねることで技術・表現の両面において高水準な仕上がりとなり、フィギュアという枠にとどまらない、ひとつのアートピースとして成立するように現在も出荷に向けて、鋭意量産中ではあります。

——最後に、購⼊を検討されている⽅やファンの皆様へメッセージをお願いいたします。

海夢ちゃんらしさを、細部まで丁寧に詰め込んだ一作です。フィギュアとしての存在感はもちろん、彼女が持つ魅力――恋する女の子のときめきや、ちょっと小悪魔な一面――を、Prime 1 Studioらしい表現力と造形美でかたちにしました。あくまでプロダクトとしての完成度を追い求めながらも、見てくださる方それぞれが、海夢ちゃんの“らしさ”を感じ取っていただけるよう、余白のある表現を意識しています。ぜひ、その魅力をお手元でじっくりとお楽しみいただけたら嬉しいです。

 

製品情報

PRISMA WING TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢 グラス エディション ボーナス版

価格:30,690円(税込)
発売予定:2026年1月頃
仕様:・特製グラスベース
・クッション
・宝飾パーツ
・ボーナス特典:アクリルコースター

サイズ:全高:約29cm
素材:PVC・ABS等
原型制作:CKB/プライム1スタジオ
彩色:プライム1スタジオ

※写真は製品サンプルです。実際の商品とは異なる場合があります。
※ご使用のモニターにより実際の色と違って見える場合があります。

 

©福田晋一/SQUARE ENIX  ・「着せ恋」製作委員会

 

 

 

Profile

プライム1スタジオ企画担当者