【イベントレポート】空山 基による過去最大規模の回顧展『SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー』2026年5月31日まで東京・京橋にて開催中

撮影:小松 陽祐
半世紀にわたり独自の世界観で作品を生み出してきたアーティスト・空山 基氏。空山氏による過去最大規模の回顧展『SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー』2026年5月31日まで東京・京橋にて開催中だ。本展ではロボット、恐竜、ユニコーンなど、空山氏が追求してきた多彩なモチーフを一堂に集めた本展は、作品を鑑賞するだけでなく、アーティストの想像力の内部を体験するような展示となっている。
トップ画像
空山 基
Sexy Robot type II floating_gold
2025
UV硬化樹脂、アクリル、銀メッキ、ステンレススチール、スチール、LEDライト
H270 x W103 x D108 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA
展示の様子



空山 基
TREX
2026
デジタル映像
1 min 34 sec
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Space Traveler
2025
デジタル映像
2 min 41sec
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Space Traveler
2025
ABS樹脂、合金、ステンレススチール、ミラー、木材、LEDラ イト
H90 x W32 x D47 cm (figurine)
size variable (Mirror boxes)
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Sexy Robot_Floating
2019
ABS樹脂、ウレタン樹脂、銀メッキ、スチール、LEDライト
H270 x W103 x D103 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Sexy Robot type II floating_gold
2025
UV硬化樹脂、アクリル、銀メッキ、ステンレススチール、スチール、LEDライト
H270 x W103 x D108 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Sexy Robot_Space Traveler
2022
繊維強化プラスチック (FRP)、UV硬化樹脂、アクリル、銀鏡 塗装仕上げ、ステンレススチール、スチール、LEDライト
H250 x W122 x D127 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Untitled_Sexy Robot
2024
アルミニウム、アクリルガラス、銅、スチール、LEDライト
H138 x W83 xD83 cm
Artificial Marble base: H100 x W89 x D89 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Sexy Robot_life size seating model_B
2018
ABS樹脂、ウレタン樹脂、アルミニウム、金・銀メッキ調塗装、LEDネオンライト
H92 x W110 x D39 cm
Pedestal: H90.5 x W80 x D60 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA

空山 基
Untitled_Sexy Robot Number 1
2022
アルミニウム、ガラス、ステンレススチール、スチール、LEDライト
H241.3 x W133.3 x D75.6 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA
空山 基氏の50年を振り返る大規模展
世界的に知られるアーティスト・空山 基氏の自身最大の回顧展が開催される。
本展では、1978年にウイスキーの広告のために最初に描いたロボット作品をはじめ、恐竜やユニコーンなど、ロボット造形の可能性を広げてきた最新のキャンバス作品まで、幅広い作品が展示されている。会場に並ぶ作品群を前に、空山氏自身も「これだけ大量に並んでいるのを見るのは初めてです。うちのアトリエは小さいので、大きな4枚組の作品などは自分でも見たことがなかった。初めて見て、感動しています」「画集は量はあるけれど迫力がない。オーラが全然違うんですよ。会場のボリュームに、我ながらオーラを感じましたね。これを見て初めて充実感を感じました」と感動を口にした。

アートではなくエンターテインメント
NANZUKA代表取締役・南塚真史氏はギャラリートークで、本展の企画の経緯についてこう振り返る。
南塚「空山も今年で79歳になります。膨大な作品アーカイブがあるので、死ぬまでに一度は大きな展覧会をやってあげたいという思いでスタートしました。空山は常々『俺はアートなんか嫌いだ。所詮アートはカルチャー、エンターテインメントであるべきだ』と言っています。だからアカデミックな展示ではなく、体験として楽しめるものにしました」
会場には新作として、Sonyの技術を活用した映像・音・振動による映像インスタレーションも展示されており、単に作品を壁に並べるのではなく、空山氏の世界観を体験できる展示構成が試みられている。
空山 基氏の“脳内”を体験する展覧会
会場を東京にした理由について、空山氏はこう語る。
空山「東京が一番好きなんです。これだけ快適な都市は他に知らない。だから凱旋で東京で開催できてよかったのかな。私の脳みその中は遊園地なんです。お客さんが楽しんでくれればそれでいい」
南塚「難しく考えずに、空山の脳みその中を漕ぎ回るような体験をしてもらえればいい。そういうアートの楽しみ方もあると思います。」

空山氏「自分のために描く」
南塚氏から見て、空山氏の強みは“妄想力”だと語る。
南塚「アーティストは誰もがイマジネーションを武器にしていますが、普通なら自粛してしまうような妄想もどんどん膨らませて作品にしていく。その意志の強さと、それを再現する技術、そしてファンタジーへの執着が空山の強さだと思います」
一方、空山氏本人は
空山「私は自分のために描いています。人のためには描きません。人のために描くなら、もっと売れる絵を描きます。その創作の結果として、作品を見た人が楽しんでくれればそれで十分。そして見せる時にはエンターテイナーになります」と語る。
自身と同じアーティストを志すクリエイターに向けたコメント

「長く、自分を見失わず貫き描き続けるためには?」という質問に対し温かく答えてくれた。
空山「自分に素直でいればいいと思います。こうやったら社会にウケるとか売れるとか邪心があると続きません、好きなら続けられます。それだけです」
Thesmophoriaの立体作品群の制作技術について、南塚真史氏が解説

空山 基
Sexy Robot_Walking
2018
アルミニウム、ガラス
H220 x W60 x D60 cm
©Hajime Sorayama
Courtesy of NANZUKA
「これらの作品群はアルミのスリットの鋳造なんですね。
アルミに銀鏡塗装をしている作品もあります。
最新型では実際に人間のモデルに空山基作品のポーズをしてもらっ
展示概要
- SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー
- 会期:2026年3月14日~2026年5月31日
- 会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F)
- 企画:NANZUKA
- 主催:ソニー・ミュージックエンタテインメント
- 開館時間:10:00~18:00
※(金)(土)および祝前日、GW4/28(火)~5/6(水)および5/31(日)は20:00閉館
※最終入場は閉館30分前
- 企画協力:ソニー・クリエィティブプロダクツ
来場者特典
エアロスミス『Just Push Play』25周年を記念し、空山基氏によるアルバムアートワークを配した特別デザインのステッカーをプレゼント。開幕日となる3月14日(土)より、会場にて来場者特典としてエアロスミス『Just Push Play』25周年を記念した限定ステッカーが配布される。今展示のテーマでもある「光」「透明」「反射」の美学を想起させるメタリックな世界観を凝縮したデザインのステッカーで、展覧会体験の余韻とともに持ち帰れる、特別なノベルティです。
Photomatic
セルフフォトブランドPhotomaticのブースにて、全7種のコラボレーションフレームを限定発売。 作品の世界観と一体になれる、特別な撮影体験を楽しむことができる。
THEME CAFE「SORAYAMA TAKEN CAFE&BAR」もオープン!
2024年7月、渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)にオープンしたアートバー 「NANZUKA TAKEN」から派生した本展覧会のテーマCAFE&BARが限定オープンする。限定メニューの「Space Traveler’s Course」も!
特別企画
攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
士郎正宗原作の漫画『攻殻機動隊』に登場する全身義体(サイボーグ)の草薙素子にインスパイアされた新作を展示。 TOKYO NODE GALLERY A/B/Cで開催される『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』ではもう一つの新作彫像も登場します。
空山 基の芸術観とコンセプト
空山 基は、常々自身の作品のコンセプトを「光」「透明」「反射」だと語ってきました。それは、空山が絵の具という制限された素材を駆使して、光を描くという挑戦を繰り返してきた軌跡でもあります。
「光を表現するためには空気を描く必要がある」、「空気を描くには透明を表現する必要がある」、「反射表現を如何にして征服するのかが鍵を握る」。これは空山が繰り返しインタビューなどで語ってきた言葉です。
例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチがスフマートという空気を描く遠近法を発明したように、印象派の画家たちが光を点描で描こうとしたように、ミケランジェロが衣類の下の身体を暗示で表現したように、視覚的な錯覚を起こす新しい表現を常に空山は探求しています。
それは、歴史上誰もなし得なかった表現への挑戦とも呼べるものです。
空山が描く人物や動物、恐竜などのロボット作品は、生物の身体性を超えた未来という仮想の物語を提示します。私たちは空山の作品を通して、既存の生命体が機械文明と融合した未来の世界の美学を空想します。
その作品は、人の知性とはなにか、身体とはなにか、時間とはなにか、といったテーマが相互に絡みあい、自然と私たちの空想力や創造性を刺激します。あるいは、私たちのテクノロジーが、身体の限界を超えて永遠の生を齎す事はあるのか、人工知能が人と共存する未来が訪れることはあるのか、といった問題提起を暗示しているとも読み取ることができます。
セクション紹介
本展では空山の軌跡をセクションに分けて展示します。1978年にウィスキーの広告のために空山が最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、最新の彫刻作品、さらには映像インスタレーションまで多岐にわたる作品が一堂に会し、鑑賞を体験へと昇華させます。
空山 基プロフィール
1947年愛媛県生まれ。中央美術学園卒業。1999年にソニーのエンターテインメントロボット「AIBO」のコンセプトデザインを手がけ、2001年には世界的ロックバンド、エアロスミスのアルバム『Just Push Play』のジャケットを担当。2018年にはキム・ジョーンズとディオールのメンズコレクションでコラボレーションを行い、2023年にはミュージシャンのザ・ウィークエンドや、2024年、2025年とF1ドライバーのルイス・ハミルトンとの共同プロジェクトも話題を呼びました。空山の作品は、ニューヨーク近代美術館や香港M+のパーマネントコレクションに収蔵されている他、「Unorthodox」(The Jewish Museum, New York, 2015)、「Desire」(by Larry Gagosian and Jeffrey Deitch, Moore building, Miami, 2016)、「The Universe and Art」(森美術館, 東京, 2016、Art Science Museum, Singapore, 2017)、「Cool Japan」(Tropenmuseum, Amsterdam, 2018)、「Post Human」(Jeffery Deitch, LA, 2024)といった展覧会で広く世界中で発表されています。