ものづくり補助金を狙ってみよう!

ものづくり補助金を狙ってみよう!

 

高額3Dプリンターが欲しい! でも予算が……と二の足を踏んでいるスカルプターズのみなさん。「ものづくり補助金」ってご存じですか? 

「ものづくり補助金」は、中小企業や小規模事業者を対象にした公的支援制度。採択されれば、小規模事業者では最大で1000万円、補助対象経費の2/3を支給してもらえる大チャンスなのです!

ものづくり補助金ってどういう制度?

ものづくり補助金とは、革新的なサービス・製品の開発やそのための設備投資、生産システムの改善に必要な設備・システム投資に対して、国から補助金が出るという制度です。

申請のプランには、

「一般型」

「ビジネスモデル構築型」

「グローバル展開型」

がありますが、ここでは中小企業者&小規模事業者向けの「一般型」のみを紹介します。

【対象者】

・中小企業(資本金3億円以下、常勤従業員300人以下)

・小規模事業者(常勤20名以下)

【補助率】補助上限は1000万円。

・中小企業:1/2

・小規模企業者・事業者:2/3

【補助要件】

以下の条件をすべて満たす3年から5年の事業計画の策定し、従業員に表明。

・付加価値額を+3%以上/年

・給与支給総額を+1.5%以上/年

・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

【設備投資の要件】

必ず単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要で以下の経費が対象となる。

機械装置/システム構築費/技術導入費/専門家経費/運搬費/クラウドサービス利用費/原材料費/外注費/知的財産権等関連経費

「中小企業」「小規模企業者」「小規模事業者」とは?

中小企業政策審議会小規模企業基本政策小委員会(10)配布資料「資料3:小規模事業者政策について」より

従業員はごくわずかで個人事業主、というスカルプターズの方であれば、表の黄色い部分、「小規模事業者」に属します。

「補助率」とは?

DプリンタのFormlabs Form3(税別575000円)の購入を考えている場合、ものづくり補助金の申請が採択されると、補助率である2/3の額(約383333円)を補助してもらえます。

もちろん、審査は厳しく、革新性、成長性、財務基盤、収益性などを満たしているかどうかチェックされます。

さらに、上の「補助要件」の通り、従業員を雇っていて、賃上げしますよ、と事前に従業員に説明することが必須なので、個人事業主は申請が難しいです。

【締切】

202011月末時点では、4次締切分が1218日(金)17時となっています。アカウント申請や書類の作成に時間がかかるので、今から着手の場合は、20212月末に予定されている5次締切に向けて準備しましょう

 

ものづくり補助金の申請の仕方

申請方法は、ネットからの「電子申請」のみ。電子申請するためには、事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。

1、 専用アカウントの取得

こちらのサイトで専用アカウントを取得します。

必要事項を記入し、規約確認後に申請書作成をダウンロード&印刷。印刷した申請書に記入捺印し、印鑑証明書と一緒に郵送。不備がなければ原則2週間以内にアカウント発行の連絡メールが到着。

2、 電子申請システムで、申請書類の作成&提出

申請書類はオンライン上に入力していきます。

会社概要や事業内容、実績説明、資金調達内訳など基礎的な情報を直接入力したあと、以下の4点の提出書類を添付します(すべてオンライン上でアップロード)。

事業計画書

具体的な事業の内容、将来の展望、数値目標など。様式は自由、A410ページ程度。

賃金引上げ計画の表明書

直近の最低賃金と給与支給総額を明記。その引き上げ計画に従業員が合意していることがわかる(記名・押印などがある)書面。

直近2年間の決算書

賃借対照表、損益計算書など。

その他加点に必要な資料(任意)

経営革新計画承認書、事業継続力強化計画、履歴事項全部証明書、特定適用事業所該当通知書など。

どういう点で審査される?

事業計画書の10枚を、ストーリー性を持って埋めることが重要です。

・なぜその設備投資が必要なのか。
・その設備投資の結果、どんなことが実現できるのか。
・また、どのような革新的な製品やサービス、試作品開発、生産工程の改善が生み出せるのか。
・地域経済にどのような経済効果が生み出せるのか。

審査は、

・技術面
・事業化面
・政策面

の3つの側面で審査項目をきちんと押さえているかどうかがポイント。とくに評価の中心となる「革新性」をしっかりと書き込むことが、採択率アップのコツとなります。

もし採択されたら……

応募締切の約1ヶ月後に採択発表があり、採択されれば交付申請を行います。

要注意なのが、機器の発注、納品、支払いは交付決定後以降だということ。交付前にすでに買ってしまったものはNG。また、補助金の入金までは自己負担になるので、資金繰りにも注意です。

大型の設備投資や大規模事業の展開を考えているのであれば、チャレンジする価値は大いにアリ。採択されなくても、申請は何度もチャレンジできますよ!

……ところで、今回の記事で触れた事業化計画書は、助成金や補助金の申請の際、また銀行から融資を受けるときにも使えます。次回、スカルプターズのみなさんに向けた「事業化計画の書き方」について紹介していきます。