2024.06.19

恐竜の造形を得意とするZBrush造形作家のRYO(ねんど星人)氏がMSI「Summit E16 Flip A13Vシリーズ」をレビュー!

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怪獣・恐竜・モンスター・動物などの造形に特化した創作活動を行う原型師・造形作家の“ねんど星人”ことRYO氏。

数々の特撮作品の怪獣造形に携わる一方で、ワンフェス(ワンダーフェスティバル、海洋堂主催のガレージキットイベント)で版権ものの造形完成品販売を行ったり、精力的な自主制作を行ったりもしている。造形はほぼZBrushのみというRYO氏に、プロのデジタルスカルプトの制作環境として、どんなマシンが必要とされているのかをうかがいました。

 

Text:kagaya(ハリんち

Interview:CGWORLD編集部

Photo:中村昭一

Profile

RYO(ねんど星人)

https://twitter.com/nendoseizin1987

 

書籍『造形作品集 DRAGON』5月21日(火)発売

高木アキノリ、Sagata Kick、RYO(ねんど星人)、Entei Ryu、タンノハジメ、峠野ススキ 共著

3,300円(税込)/ボーンデジタル

https://www.amazon.co.jp/dp/4862465951/

INTERVIEW 

——RYOさんの造形制作ワークフローについて教えてください。

作業はほとんどZBrushで完結しています。まずはじめにZBrushの中で大まかなラフをつくってから細部のバランス整えていき、ディテールを入れて完成です。フィギュア用に分割する場合はZBrushからSTLファイルを書き出して、Chituboxというツールで作業します。ただ、最近は分割せずに納品する仕事も増えていますね。自主制作の場合は、分割してサポートを付けて、3Dプリントして表面を磨いて、塗装してというところまでやっています。

——現在はどういった環境でZBrushを使われていますか?

メインはデスクトップで、最近買い換えました。CPUが13世代Core i9、メモリが64GBです。サブとしてノートPCも使っているんですが、もう3年以上前のものなので、そろそろ買い換えたいと思っていたんです。そのタイミングで今回Summit E16 Flip A13Vシリーズを貸していただきました(笑)。ノートPCを買った理由は、ここ数年、専門学校大阪デザイナー・アカデミーのフィギュアデザイン学科の講師をやっていまして、学校に持っていって授業に使ったり、学生と一緒に何かやるときにあると便利だからです。あとは、とにかく家の中で作業したくないという時期が定期的にやってくるので(笑)、ファミレスやカフェなどに持ち込んで自主制作するのにも使ったりしますね。

<RYO氏のデスクトップ機のスペック>

・インテル® Core™ i9-13900KF 
・メモリ64GB(16GB×4)
・NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 Ti 8GB GDDR6 [HDMI×1・DisplayPort×3]
・1TB SSD / NVMe M.2 [PCIe 3.0×4] 
・500GB SSD 

——Summit E16 Flip A13Vシリーズを使ってみていかがでしたか?

率直に、気に入りましたね。ZBrushがサクサク動きますし、薄くて持ち運びも便利です。また、ディスプレイの視野角が広いんです! 表示も鮮やかなので、学生に横から画面を見てもらいながら何か教えたりもしやすいですね。バッテリーの持ちもしっかりしていますし、ファンの音も気にならない程度でした。インターフェイスで言うと、USB3.2 Gen2 Type-Cが2つあるのと、HDMIが側面の奥にあって邪魔にならないのが好印象ですね。

 

 

MSI Penについては、未来の制作環境だなという印象を受けました。フリップするとキーボードが隠れてしまいショートカットキーが使えなくなるので、僕のいまのZBrushでの造形作業ではペンを活かしきれないと思います。液晶タブレットのように使用するには、片手用キーボードなどが必要になりますね。それでも、未来の制作環境を予感させるものがあって、インスピレーションを受けましたね。

 

——ZBrushもスムーズに使えましたか?

デスクトップ並みとはいきませんが、不便はなくて、スムーズに動かせます。例えばこの自主制作の恐竜のモデル、頭部だけで487万ポリゴンあるんですが、これをZBrushの中で動かしても全然スムーズに動きます。こういった細かい鱗の造形を地味に長い時間かけて造形するので、このくらいスムーズに動いてくれると御の字です。

 

 

ZBrushではCPUとメモリがまず大事ですが、Summit E16 Flip A13Vシリーズは12コア搭載の13世代Core i7と16~32GBのメモリを搭載していて、スペック的に問題はありません。ノートPCとしては、全般的にどんなクリエイティブにも使えるポテンシャルのあるマシンだと思います。

——こちらの恐竜の造形を含め、創作へのこだわりを伺いたいです。

恐竜や怪獣をつくるとき、なんていうか、ただ怖いだけのものにしたくないと思っていて。例えばサバンナのライオンだって、鬼気迫る表情で狩りをしてる時もあれば、家ネコみたいにコロコロ転がってる時もあるわけです。だからいつも、生き物としてのいろんなシーンが想像できるような、ちょっと緩いポイントがある造形を心がけています。

 

 

想像の世界とはいえ、生き物を造形するので、例えば鱗の形や分布の具合は、現実の生き物で見られる特徴を寄せ集めながら、デフォルメをかけています。爬虫類の鱗の形や分布を観察して、のどから首や目の周りは細かくシワになってるとか、背中のほうは固くて大きくて尖ってるとか。そういうリアルな情報を頭に入れておいて、あえてちょっと形を変えたり、立体としての面白さを考えて誇張したりするんです。

 

——RYOさんの今後の活動について教えてください。

子どもの頃から粘土で造形をするのが好きで大人になって粘土に再会して仕事になって、今は完全にデジタルスカルプトへと移行しました。これまでたくさんの楽しいお仕事に携わらせてもらってきましたが今後はさらに、フィギュア原型だけに留まらないような、造形の技術が活かせる仕事もしてみたいですね。

そのひとつとして、共著で『造形作品集 DRAGON』という書籍の執筆も担当させていただきました。造形を生業にしている方からドラゴン好きな方まで幅広くターゲットにしていますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです!

 

——ありがとうございました。

 

製品情報

Summit-E16Flip-A13VFT-1301JP

360度展開・フィンガータッチ・アクティブスタイラスに対応した16インチWQXGA(2,560×1,600)液晶パネル採用。薄さ16.95mmの本体に第13世代インテル® Core™ プロセッサーとNVIDIA® GeForce RTX™ 40 シリーズ Laptop GPUを搭載し、デスクトップPC並みの処理性能と高い3Dグラフィックス処理性能を備えたハイスペックビジネスノートPC。

  • OS:Windows 11 Pro
  • CPU:インテル® Core™ i7-1360P 12コア(4P+8E)16スレッド
  • グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Laptop GPU 8GB GDDR6
  • メモリ:32GB LPDDR5 オンボードメモリ
  • ストレージ:SSD 2TB(M.2 NVMe)

製品詳細はこちら:https://jp.msi.com/Business-Productivity/Summit-E16-Flip-A13VX