【スカルプターズ・データベース】粘土で作るハリウッド仕込みの美しい人体造形 タナベシン

フィギュア、ゲーム、CM、映画、そしてアートのジャンルで最も造形力のあるスカルプター・原型師を集めた、最新データベース創刊!

美女の柔らかい肉体表現ならこの人!
タナベシン Shin Tanabe Profile


タナベシンとその利き手。粘土を触っていないときは、釣竿を握っている。

たなべ・しん

伊勢志摩出身。物心ついたときから工作好きな少年だった。ガンプラは小学2年からずっと作っていて、プラモが手元にないときはその辺にある素材でなにかしらを作っていた。
小学6年生のときホラー映画にハマり(80年代ホラーブーム)、そこから急激にクリーチャーや特殊メイクに興味を持つようになる。粘土ではなく、針金でエイリアンを作ったこともある。胸から腹までぱっくり割れて心臓や飛び出した腸が仕込んである人体解剖模型みたいなのを粘土で作り、母親を心配させたことも。また、中学生のころに粘土で『バオー来訪者』のバオーの胸像も作った。

大学の専攻は工業デザイン。当時は模型や造形は趣味程度で、原型師になるなんて全く思っていなかった。
特殊メイクに異様に興味があったので、専攻に関係なくハリウッドへの思いが段々と強くなり、卒業後まもなくして渡米(ロサンゼルスへ語学留学)。あても全然なかったが、コネクション作りも兼ねていろいろ出かけ知り合いを沢山作っていく中、フィギュアメーカーで働いている友人が出来て、ちょうどその会社が社内原型師を探しているということで、就労ビザを得るため間髪入れずに面接に行く。
フィギュア制作はあまり人生プランに入っていなかったが、運よく社長に気にいられ即採用、めでたくビザもゲット。
会社でフィギュア原型を制作していくうち、フィギュアというものにのめり込んでいったのでその流れで原型師に。

2007年に帰国。アメリカ生活で強烈に魚に飢えていたので実家の漁師町は天国すぎた。さらに釣りにどっぷりハマり、本当は一時帰国で1年後にまたロスに戻る予定だったのを蹴って、志摩市に住むことを決意。都市部へのアクセスは非常に悪いが、大抵のものはネットで揃うのであまり不便さは感じていない。一番の泣き所は映画館が遠いこと…。

Twitter:@tanabeshin

 

作品


Gecco「DARK SOULS アストラの上級騎士 オスカー」
Dark Souls™ & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / ©FromSoftware, Inc.

 


YAMATO USA”Fantasy Figure Gallery”「リチュアル Ritual」
©Luis Royo/Licensed by Norma Editorial

 


「ウィナンナ Winanna The Hunter」オリジナル作品。

 


「フェアリー・エッグ Fairy Egg」『スカルプターズ02』のための作りおろしオリジナル作品。

 


伊勢志摩サミットモニュメント「波際の架け橋」

コレクション棚と作業スペース


(左)「タナベシンの美術系のための英会話講座」ではおなじみのフィギュアのコレクション棚。(右)作業スペース。

 影響を受けた映画、漫画

映画
幼稚園のころ親に連れられて観た「ジョーズ」「スター・ウォーズ」。
小学生のときにテレビで放映された「エイリアン」。アッシュの首がもげるシーンでチャンネルを変えました(笑)。
遊星からの物体X」「死霊のはらわた」「悪魔のいけにえ」「ブレードランナー」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「シンドラーのリスト」など。

漫画
永井豪「デビルマン」、短編集「ススムちゃん大ショック
手塚治虫作品、荒木飛呂彦作品、大友克洋作品、「風の谷のナウシカ」原作 、浦沢直樹「MASTER KEATON」など。

 

1日の平均作業時間

10時間

 

著書・作品集